先生から大事だといつもいわれているけれど、
なかなか出来るようにならないこと、
ありますよね？
やり方も教わっているのに、
どうも上手くいかない。
しっくりこない。
そんなとき、どうしていますか？
先日、こんなことがありました。
SNSでもあげましたけれど、
アレクサンダーテクニークを長く学んでいる方が
「こんなに視線が高くなったことない！」
首の力が抜けて、頭がすっと乗っかっていれば、
全く視界が変わりますね。
その感覚を得るために、あえて一旦、逆の関係性を経験するのは役に立ちます。
こうした経験は、何が重要かを真摯に学んでいる方にとって、
重みが違ってきます。
確立されたメソッドを学んでいる方も、
こうして違ったアプローチを経験すると、
「こういうことだったのか！」となって、
本当に身につけたいものを自分のものとできる可能性が
極めて高くなると思うのです。
アレクサンダーテクニークといいますのは、
フェルデンクライスメソッド、ロルフィングと並んで
３大ボディワークといわれるものの１つです。
そこでは、プライマリー（第一の）コントロールと称して、
頭と脊椎の関係性を最も重視しているんです。
簡単にいいますと、頭が脊椎を押しつぶすことなく
自由でいられることが、身体面でも精神面でも
その人の自然につながるというものです。
そのアレクサンダーテクニークの教師になるべく、
長いこと学んでいる方が私のワーク受講体験が、
先ほど紹介した「こんなに視線が高くなったことない！」です。
この方はとても素直な方で、
「普段とは全く違うアプローチによって、
頭での理解が、私自身の身体と一致する体験でした。」と
アレクサンダーテクニークで最も重視されている
プライマリーコントロールとしての
頭が脊椎を押しつぶすことなく自由でいられる状態になりますと、
視線は高くなるんですね。
それでも、実際に本当にそれが実現できるか？となりますと、
やはり容易ではない。
いえ、十分実現できていると思っていたものでも、
実は、まだ足りていないということはあるものです。
本当の体験をするまでは、結局のところ
頭での理解にとどまってしまいます。
その本当の体験をするには、
普段と違ったアプローチをすることが、
ひとつ大きなカギになると思うのです。
と同時に、この方のように
なにが重要であるかを、
（この場合「視線が高くなる」「それは頭と脊椎の良い関係から生まれる」ということ）
心の底から知っているかどうかは、
違ったアプローチが大きな意味を持ち得るかどうかにかかわってきます。
私のレッスンでは、何か一つに絞って、
「これが最も重要ですよ」と言うことはありません。
実際にはいつも
「エネルギーの通りが最も重要であり」
「それには、身体にできるだけ多くの隙間を作り続けること」
と言ってはいるのですが、
アレクサンダーテクニークのプライマリーコントロールに比べますと、
（頭と脊椎の関係も、この言葉の中に入っているのですが）
捉えどころがないですよね。
あるものが、最も重要だと心の底から思っていますと、
その状態を経験した時に、
衝撃を受けることになります。
なんとなく大事だろうなとは思っている程度の人は、
その状態になっても、
衝撃にはなり得ません。
特に、簡単にその状態になれてしまえばしまうほど。
秘伝というのは、表面的には簡単なことだったりします。
けれど、受け取る準備ができた人だけが、
秘伝として受け取ることができるのです。
私の強みは、分野に限らず、何かを習得するために
いろいろと試行錯誤してきた方や、ボディワーカーの方が
「これだったのか！」
と思えるものを、多く提供できることなのですが、
一方、そのことの重要性を、
これでもか！これでもか！
と説くことがないために、
一般的な経験値の方には、その体感の意味するところに
重みが生じづらい。。。
私のクラスには、
自分の身体の感覚に極めて素直な方と、専門的な方が多く、
一般的な方が少ないのは、そのせいだと思うんです。
クラスの人たちも、他に奨めたいという気持ちはすごく強く
持ってくれているようなのですけど、
どう言ったら伝わるかが、難しいと。。
体感を言葉にすると、
どうしてもどこかオカルトっぽくなってしまうし。
・・・話がそれました（笑）
なかなか身につかないものがある方はもちろんのこと、
自分が身につけているもの、
その精度、真実度を確かめる意味でも、
思ってもみなかったようなアプローチは
大事だろうと思う、そんなお話でした。
最新作『鏡』上演写真
