能の謡いを習い始めて、半年が経ちます。
といいましても、カルチャーセンターで２週に１回20分ほどですけど。
あとは、やはり２週に１回、
本当の稽古場で他の方たちが、一斉に謡っているところに交じって
謡っているといいますか、聞いているといいますか…
まぁ、それにしても、大変です（笑）
これが、教本？です。
楽譜に相当するものです。
この点だらけにみえるものが、実は少しずつ違っていたりしまして、
ある程度の音程の上げ下げや、伸ばすところ、止めるところが、
指示されているんです。
まぁ、それすら、よくは分からないのですが（笑）
（しかも、記されていない、暗黙のルールもあって、
本当に五里霧中という感じです 苦笑…）
ところで、
能の発声をテレビなどででも聞かれたことありますか？
西洋の声楽と比べても
独特だと思われませんでしたか？
西洋が人間、あるいは天の神だとしますと、
能は大自然といいますか、大地の神といいますか…
西洋が発散だとしますと、
能は抑えとでもいいましょうか…
もちろん、
同じ人間が達し得た最高の次元でしょうから、
通じているものはあると思います。
さて、
私が『声（音）を身体に響かせる』というワークショップを始めて
丸２年になります。
舞台表現では、一切声は使いませんけれど、
発声は私には重要な位置づけにあるんですね。
それは、表面的には声を出していないということであって、
身体奥底では、強大な発声エネルギーを作り出している
からなんです。
で、実際の発声ですけれど、
西洋的なものよりも、能のほうが、私にとりましては、
より魅力的だったんですね。
偉そうな言い方をしますと、
西洋的なものは自分で出来るけれど、
能のほうは、自分では出来そうもない。
習うしかないと。
いやぁ、、、
想像を遥かに超えて、大変でした（笑）
発声のみならず、節回しの難しいこと、難しいこと…
発声は、これまで私が行なってきたものが、
西洋的な発散系だったために、
抑えつつ、しっかり響かせることに時間を費やしてしまいました。。。
（ある一定のレベルは超えているものの、まだまだです。）
節回しは、これはもう、なんだか奥深すぎまして、
自分に悲しみすら覚えます。。。
けれど、そんな中、
非常に重要な気づきを得ることができました。
「つなぎ」
前の声（音）と次の声（音）を、どうつなぐのか？
この「つなぎ」こそが、伝わるかどうかの肝になると。
（ここでいう「つなぎ」とは、
単音自体の入り方、終え方も含んでいます。）
私の声のワークには、もっていなかった要素です。
これは、歌や喋りといった、その道の専門家の方の分野になります。
私のワークは、声自体の土台といえるでしょう。
ですから、
極端な言い方をしますと、
「つなぎ」が良いと、声自体がそれほどでなくても、
いい感じで伝わります。
声自体が良くても「つなぎ」が悪いと、伝わらない。
「つなぎ」が良くて、声自体も良ければ、最高！
身体表現と一緒でしたね。
どう入って、どう終わり、どうつなぐか？
「つなぎ」と「それ（声や動き）自体」
謡いをやることで、この２点に重要性をあらためて確認できたことは
とてもありがたいことです。
謡いがどこまで上達できるか、分かりませんけれど、
今しばらく続けてみようと思います。
