思考がエネルギーの流れを、
せき止めてしまう。
といって、
思考をストップさせることに意識を向けると、
やはりストップせず、
ストップさせようとして、思考に意識が向いてしまうので、
どうどう巡りになってしまいます。
どうして、こんなお話をしようと思ったのかといいますと、
先日あることがありまして、
その場では、思い至らなかったのですけど、
帰宅後、考えていましたら、
冒頭の言葉になったんです。
あることといいますのは、
これを読んで下さっている方の多くは、
直接には関係ないかもしれませんけど、
一応、お話をしてきますね。
アートマイム／オーガニックマイムは身体での演技でして、
演技の際、
動きに流れ
があるかないかは、重要なことですから、
そのレッスンは多くするのですけど、
これは、頭で考えても
なかなか上手くいかないものなんですね。
そこで、手指と足を特殊な形にしてもらって動いてもらいますと、
見てる私からももちろんですが、
演技している本人が、その全身の一体感にビックリ！
で、演技も、流れをもって実に自然でいながら、
どの時点を切り取っても、絵になります。
もちろん、複数の人が同じようなことになりますから、
お互いの演技をみて、それぞれ驚いています。
ところが、ある人は、個々の動きは全身感が生まれて良い感じであるものの、
演技の要所要所で、もうひとつ流れが……だったんですよね。
アドバイス（悪い点の指摘ではなく、何をするといいか）をしても、
目立った結果は出ません。
その人は、いつも考え過ぎる傾向があります。
それが証拠に、少し動いては、すぐに止まって、
何かを考え、また少し動いては、考え…を繰り返します。
音楽でたとえますと、
音楽を奏でることに意識が向かわず、
個々の鍵盤を押さえること意識が向いてしまう。
全くの初心者でしたら、いいんですけど、
そうではありませんからね。
レッスン時間の問題もありますし、
それ以上のアドバイスが、かえって混乱を引き起こしかねませんから、
その日はその状態で終えた、そんなことがあったんです。
で、帰宅後、あらためて振り返って考えますと、
流れが切れてしまうところで、
その人は、意識が途切れているんですね。
けれど、
どうも本人は 意識が途切れていることに、
気がついていない のだろうと思ったんです。
意識が途切れるというのは、
身体から離れてしまっているということです。
思考が強過ぎて、
身体から離れてしまうんですね。
この意識と身体の関係ですが、
瞑想では呼吸に目を向けるということがありますね。
同じことです。
瞑想中に、邪念、雑念といわれるものが生じたとき、
それは、身体（呼吸）から離れているんです。
思考がエネルギーの流れをせき止めてしまう…
これは、演技ということだけでなく、
あらゆる分野に通じていそうですよね。
さて、
動いているとき、「体がどう動いているか？」を知り続けることは、
とても重要なんですけど、
「体をどう動かそうか？」に意識を向け過ぎますと、
問題が起きるんですね。
後者は、「考える」ことをしているわけです。
どうしたらいいのか？
結論からいいますと、
（仮想的）触覚、
ときに（聴覚ではない）音感覚。
こういった体性感覚を使うことです。
え？？
さっきの人は、アドバイスを受けても良くならなかったんでしょ？
と、思いますよね。
はい、ごもっともです（笑）
こちらも、結論からいいますと、
体性感覚をもう少し養う必要があるということです。
（仮想的）触覚、ときに（聴覚ではない）音感覚といった体性感覚と
脱思考、流れ続けるエネルギーについてのお話は、
また次回にでも。
