声は、呼吸の表れ。
呼吸は、心と身体の境界にあります。
ですから、
声は、心の現れであり、同時に身体の表れ。
自分の声に目を向けることは、
自分の心に目を向けること。
自分の声に目を向けることは、
自分の身体に目を向けること。
『声（音）を身体に響かせる』というワークショップを、
丸２年、月１回、多いときは２回のペースで続けてきました。
声が出づらいといった一般の方まで、多くの方が参加下さり、
ほとんどの方が、たった１回の参加で、
想像もしていなかった自分の声の響き
に驚き、喜んで下さいました。
本題に入る前に、
どうして、たった１回で驚くような声が？ですが…
ワークショップでは、
声が身体に響いて、共鳴音として発信する仕組みを、
ご自身の体で、“すっと” 体感できるようにしています。
それは、たとえて言うなら、
自転車に乗れるようになるために、
自転車の仕組みや、それにあった身体の使い方を
細々と解説した上に、部分部分を取り出して
（ハンドルの握り方や、背筋の伸ばし方など）
練習していくといった、
一見、科学的に見えて、実は理に適っていない方法ではなく、
ペダルがなく両脚が着く高さの自転車で、
すーすーって乗っていくことから始めるような感じです。
ですから、たった１回の参加でも、
想像もしていなかった声を響かせられるようになるのですね。
とはいえ、
それは入り口に過ぎません。
もっともっと多彩で豊かに響かせられる力を、本当は皆さんお持ちなんです。
なにしろ、ワークショップでの声は、現状の身体から出る声であって、
身体の質を上げれば、多彩で豊かな伸びのある、
より質の高い声が安定して出せるようになります。
そして、このより質の高い声を響かせられる身体というのは、
声に関心のない方にとりましても、重要なんです。
声が響く身体と、響かない身体…その違いは
身体の中のすきまの多さです。
すきまとは、
ノドの空間、胸郭の空間、頭蓋骨の空間、内臓の空間、筋肉同士の空間…etc.
こういった空間、すきまがつぶれた状態で、声を発しても、
声がそこで行き止まってしまうのです。
もちろん、身体の外の空間へも声が広がりません。
響かない身体、すきまがつぶれた身体というのは、
エネルギーの通りが悪い身体です。
私たちは、自覚の有無にかかわらず、すきまをつぶすような使い方をしています。
赤ちゃんや動物は、すきまが多い。
すきまの減少が、すなわち老化。
と言えます。
声は呼吸の表れです。
そして、呼吸は心と身体の境界にあります。
声がしっかり出せないというのは、
呼吸が上手く出来ていないというだけでなく、
自分を出すことに、恐れを感じているかもしれません。
声が喉からになってしまうのは、
呼吸が浅くリラックスしづらいというだけでなく、
本当の自分を隠そうとしているかもしれません。
これまでのワークショップでは、
様々な声を響かせることが主たるテーマでしたが、
今後は、より質高く響く身体になることをテーマとして、
を開催していきたいと思います。
声の響きを尺度として、
自分の声の響きを楽しみながら、
それぞれのペースで、身体、呼吸、心と向き合っていただければと思います。
身体のすきまは、年齢に関係なく、いつからでも増やしていけます。
声自体の響きに関心のある方も、
そうでない方も。
過去に受講経験の無い方も安心してご参加下さい。
