今回は、前記事の続きになります。
（仮想的）触覚、（聴覚ではない）音感覚といった体性感覚のお話ですね。
この感覚が、
脱思考を実現させてくれ、
エネルギーの流れをよくするんです。
といいますか、極めて重要というお話。
まずは、体性感覚について
＜ウィキペディア＞体性感覚（たいせいかんかく）は、生理学や医学の用語で、皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚を指す（内臓感覚を除外する立場もある）。視覚や聴覚といった特殊感覚と異なり、感覚器が外からははっきり見えず、皮膚・筋肉・腱・関節・内臓の壁そのものに含まれる。
体性感覚に目を向けるということは、
“今その瞬間”に目を向けることになります。
瞑想では呼吸に目を向けるということがありますね。
同じことです。
思考というのは、身体から離れ、今から離れ、
「ここにいない」状態を生み出します。
今回のお話は、舞台表現のお話として進めますが、
分野にかかわらず、どんな人にも共通するものがあると思いますので、
関心を持っていただけたらと思います。
冒頭の音感覚に「聴覚ではない」と付けましたのは、
聴覚が体性感覚には含まれないように、
聴覚で聞き取る音ではなく、内言語的な音だからです。
（※内言語とは、発声を伴わない心の中の言葉。音声を伴って口に出すのは外言語。）
また、
触覚に「仮想的」と付けましたのは、
深部感覚、内臓感覚は仮想ではなく、確かな触覚なのですが、
空気との接触感覚や、仮想の液体や温度に対する感覚も
含めているからになります。
（触覚には、呼吸に関する深部感覚、内臓感覚も含まれます。）
（音感覚も、この触覚と結びついて初めて、意味を成します。）
思考に陥らず、エネルギーの流れを止めないためのポイントは、
瞑想が呼吸に意識を向け続けるように、
触覚や音感覚を途切らせないようにすることです。
逆を返すと、思考は、こういった身体の感覚を遮ります。
試しに、
実際の音で構いませんので、
時計の音でも、冷蔵庫の音でも、ずっと聞いていてみて下さい。
しばらくすると、考え事をしていて音を聞いていなかったことに、
気がつくはずです。
さて、舞台上では
「今ここに在り続け」
「エネルギーの流れを止めない」
ことが重要であることは、言うまでもありませんね。
ただ、そう言われても、具体的にどうしたらいいのか？
よくある「追いつめ」が功を奏することがあるのは、
想像に難くないと思います。
追いつめが、「下手な考え休むに似たり」状態にするわけです。
けれど、このような精神論、根性論的な
追いつめる、追いつめられるのが好きな人は別として、
方法論を持っていますと、
表現に当たり外れがなくなり、
ある一定の高い水準から下がることがなくなります。
（勘違いした方法論の場合、
「こういう時はこうする」といった
悪い意味でのベテラン的表現になります。）
で、方法論ですけれど、
これが、今回テーマにしている
触覚、音感覚といった体性感覚を使いこなすことであり、
これらの感覚と密接に結びついている
「呼吸」
を、使いこなすことなのです。
（呼吸のお話は、たびたび取り上げていますので、
今回はこれ以上のお話はしません。）
では、
触覚や音感覚といった、体性感覚の感度は高められるのか？
どうしたら高まるのか？
大事なこと、それは
セルフ整体と緻密な呼吸です。
（そこに特化したクラスが
「自己整体真呼吸クラス」あるいは
「トータルボディコンディショニング」になります。）
思考をストップさせようとしますと、
思考に意識が向いてしまいます。
といって、鈍い身体と漫然として呼吸では、
意識の行き場がないんですよね。
セルフ整体で、身体の深部まで感度を上げて、
意識の行き場を生み出すことが先決。
（セルフでないと、あまり意味がありません。）
私のクラスに、元々、俳優活動をしていた人が、
上記２つのクラスに通っているのですが、
成長著しく、表現力が誰の目から見ても、明らかに高くなっています。
体性感覚の感度は、他人から与えられるものではありません。
本人が、どれだけ向き合うかです。
水を飲むのは本人しかできない。
私は、水の見つけ方や、水のありかを教えるだけ。
（実は、この前提として、
昭和のスポーツのような「水を飲んではいけない」ではなく、
むしろ「水を飲む」と、効果が上がるよということを
伝えることから始まっているのですが…）
さて、
これを読んだからといって、
脱思考ができるわけではありません。
体性感覚の感度、上げませんか？
楽しいですよ。
