前回、さっらとこんな言葉を出しました。
「天才の言葉を真に受けないように」
さらに、さっらと
「天才にとっての自然は、凡人には不自然なのです。」
私ももちろん、凡人組みです。
人によっては、私を天才と思う方もいますけれど、
それは、あくまで後天的な取り組みで実ったものです。
だからこそ、「天才の言葉を真に受けないように」と
断言するわけです。
私たち凡人が天才の言葉を聞いたとき、
どういう反応になりますか?
「え?! そうなの?」
「へぇ~、そうなんだ~。」
といった感じではないでしょうか?
これは、その内容を誤解しているということなのです。
例えば、
「自分らしくいれば、それでいいんですよ。」
という言葉。
その言葉を発する天才は
真の自分、つまり世の中の他の目と無関係に
自分の喜びの感覚とつながっていればいい、
といった意味であり、
その選択の結果は、どんなものであれ、
自分で責任を持って、受け入れるということとセットなんですね。
ところが、これを
自分勝手でいい、自分の欲を満たすことに躊躇しなくていい
と誤解してしまい、ゆえに、
期待しない結果に対して文句が出てしまうわけです。
あるいは、天才の言う
「何もしなくていい。余計なことはしないほうがいい。」
これを怠惰にしていいとか、
単にやり過ぎないように注意したほうがいいと
誤解してしまうのですね。
表現の世界を考えれば、簡単ですよね?
何もしないというスタンスで、
ひとを魅了する表現ができますか?
という話です。
ですから、
天才の言葉に対して
「え?! そうなの?」
「へぇ~、そうなんだ~。」
ではなく、
「そりゃぁ、そうだよね。」
「何を今さら??」
と思える人、こういった人にしか、
言葉は通じないわけです。
それは、やはり同じ天才。
(この形で分かった気になってしまう人もいますけど…)
通じる人は、今さら聞かなくても知っていることで、
聞いて、「そうかぁ…」と思ってしまう人は、
本当には通じないということです。
そんなことをいったら、
もうどうしようもない。
とりつくしまがありませんよね。
どうしましょう?
とにかく、天才の言葉を疑う。
今の自分の理解の範疇に納めない。
けれど、やはり大変です。
天才と凡人の間には
橋のかかっていない大きな川が流れています。
だからこそ、私のような後天的な取り組みで
多少なりとも天才のいう言葉を
理解できるようになった人間が、
橋渡しをするのです。
特に、私の場合は
身体の使い方、演技・表現
という分野で、
分かりやすい形(言葉や練習法)を提示できますし、
そうありたいといつでも言葉や練習法を探っています。
あっ!
でも、私の言葉も疑って下さいね(笑)