オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

パントマイムと音。

パントマイムで重要なのは、音です。
言葉も音も使わないだけに(音楽はかけたりしますけど)、内にもっている音が、とっても重要になるんです。
いつも、言っていることではありますけど・・・

ただ、ダンスと違い、いわゆる音楽のリズムやメロディーに合わせて、動くわけではありません。

ひと言でいいますと、効果音です。

効果音を、身体の中、あるいは頭の中で、流しながら動くんです。

たとえば、ただ単に、実際には見えない、あるモノを想定して、本当にあるかのような手付きで、持てばいいというものではないんです。

モノに気付く。手を伸ばす。モノに触れる。掴む。持ち上げる。持つ。
これで、6つの音が必要。

しかも、音というのは、単なるイメージではなく、きちんと体全体で表現されてこそです。

たとえば、「チューリップ」という歌がありますでしょ、ド・レ・ミ・・ド・レ・ミって弾く。
確実にドはドの音を弾き、レはレの音を弾かなくては、なんだか分からなくなってしまいますよね?
ドともレともいえないような、中途半端な音では、いけないわけです。

マイムも一緒です。
自分が何の音を出しているのか(別にドレミという音階ではありませんよ)?
どの程度の音量を出そうとしているのか?
どの位の長さにしようとしているのか?

このことを、自分の身体を楽器として、体現しなくては、死んだマイムになってしまうんです。

状況設定によって、ある音は長く、ある音は短く、ある音は強く、おる音はクレッシェンドで、などなど。それはいくらでも、あり得るわけです。

そして、手先だけを楽器にするのではなく、体全体を楽器にし、自分の身体を正しくチューニングし、自分の出したい音を、出したい音量で、見ている人の耳(目?)に届ける。

ですから、豊かな美しいマイムにするには、音色を豊かに美しくすることが重要なんです。
バレエのような動きをすることとは、違うんです。

体の中の音色をつくり出すのは、演劇的な心です。
遊び心が必要です。
あまり、体の動かし方にばかり意識がいってしまいますと、ピアノの鍵盤を指1本で、ド~・レ~・ミ~と単調にたたいているようなことになってしまいます。

音と体が一体化し、豊かな音色で奏でられれば・・・ああ、素晴らしいですねえ・・・そんな風になりたい。