オーガニック・アートマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

2006/04/23 Sun 形と心

日本舞踊をやっていますと、身体だけでは動けないということと、気持ちだけでも動けない、ということがよ~く分かります。

いつも言ってますけど、日本舞踊は躍りであると同時に、お芝居でもありますから、身体能力に優れていて、いわゆる普通のダンスが得意であっても、日本舞踊は踊れないと思うんです。
いくら形がきれいに作れても、その形を作る心の(演技としての)裏付けがないと、中味無しのスカスカ。

ただ、かと言って、演技の心が強ければ上手くいくわけでは、もちろんありません。形は重要です。

分かりやすく、極端に言いますと、「心が入って無くても見せられる」ものにするのが形。ですから、人に見せるものにするには、まず形。
正直いいますと、心が入っているかどうかは、見る人によって分かる人と、分からない人がいます。私も、どこまで分かっているかは、甚だ疑問ではあります・・・あぁ。。

まあ、とにかく、心なんて目に見えないものより、形という見えるものの方が分かりやすいわけです。

日本舞踊を学ぶというのは、先人たちによって作られた、裏付けのある形を、その心と共に学ぶということ。このことが、きちんと受け継がれているわけです。

ところが、パントマイムはと言いますと、たいがい形ばかりです。心を重視していたとしても、それは形からは外れたところで、いわゆる普通のお芝居的。(お芝居が悪いというのではないですよ。)日本舞踊のような形と心をつなげる、ということをほとんど考えていないようです。

ポーリッシュマイムでは、そのつながりを非常に大切にしていますが、やはり習う側の問題もあり、どうしても形にとらわれてしまいやすい。

しかも、マイムは踊りではないために、形しかないと、それこそスカスカ、そう、ただのテクニック。これでは人の心に届きません。
そんなことですから、心を強く出した普通のお芝居に、マイムのテクニックを取り入れた、というパントマイムが多くなるのだと思います。

私はこれを打破したい。打破して、超えたい。
う~んん、なんだか立派そうだ・・・ぁ