良い姿勢として、
バレエと日本舞踊や能の姿勢の違い。
前回からの続きですが、
前回の写真、相当な衝撃だったと思うんです。
いわゆる良い姿勢の評価ポイントを基に、
あの姿勢を修正・矯正するのは良いことなんでしょうか？
ところで、能の基本姿勢とよく似た格好をするスポーツ(?)があるんです。
なんだと思います？
それは、
ウェイトリフティング！
面白いですよね。
なんだか、能からは相当に縁遠そうですものね。
ウェイトリフティングの画像は、
検索しますとたくさん出てきますので、
ご覧いただきたいのですけど、
バーベルを頭上高く持ち上げているときの姿勢、
どなたも皆さん、あの能の基本姿勢に似ています。
もちろん、能では手は下ろしていますけど、
あの基本姿勢のまま腕を上げれば、
そのままバーベルを持っていられそうではありませんか？
（前回の能の方の写真、見て下さいね。）
能の、やたら上体が前傾した、
反り腰？と思われるような姿勢、
実は最も負荷の高いウェイトリフティングの姿勢と（ほぼ）同じ。
と言うことは、
（腕を頭上高く上げた場合）上体が前傾した反り腰的な姿勢が、
体にとって一番楽で局所的な負荷が小さくて済む姿勢ということになります。
反り腰的であっても、腰にとっては一番負荷が少ないということ。
ですから、いわゆる悪いとされている反り腰ではない。
そう考える方が良いと思われます。
実際のところは、反り腰なのではなく、
生理湾曲といって、人体の本来の骨格は
腰の骨（5つの腰椎）は反ったような形、前湾しているんですけど、
その自然な良い形だと思われます。
逆に、バレエは見た目の真っ直ぐさを求めるあまり、
この腰椎の生理湾曲から外れて、本当に真っ直ぐにしようとしまう可能性があり、
それによって、後年、腰を痛めてしまうこともあるらしいですね。
さて、能の姿勢ですが、
腕は上げていないものの、ウェイトリフティングと同じような姿勢によって、
上からの大きな重量を足元・床に受けているとは
考えられないでしょうか？
そして、同時にもう一つ重要なポイントが。
ウェイトリフティングのあのフィニッシュ姿勢は、
バランスも相当に大変なはずです。
あれだけの重量を頭上高く持ち上げているとなりますと、
ちょっとしたバランスの崩れが命取りになります。
では、どこでバランスをとっているのか？
それは、股関節。
股関節が固まってしまっては、
ちょっとした重みのずれでも、調整出来ずに
持ち上げてられなくなります。
ですから、股関節は緩めておく必要があるんです。
（これも、ウェイトリフティングの画像を見ていただくと、
分かるかもしれません。）
つまり、能や日本舞踊の基本姿勢というのは、
股関節を緩めて、上からの重量を受け、
足元深くにその重みを流す。
そう言えるのではないでしょうか？
ちなみに、頭上運搬という
頭上に荷物を乗せて歩くよりも、
行商の背負う形の方が、より重いものを持てるように、
ここで言う「上からの重量」は
なんでしょ？宇宙のような重さ？（笑）
天の重さを地球の中心に流している？
なんだか、そうしてみますと、
日本舞踊よりも能の方が前傾が深いことに、
納得感が生じます。
まぁ、それはよく分かりません（笑）
さてさて、姿勢のお話、一旦これでおしまいです。
最初に戻りますけれど、
ただ物体としての体ではなく、
動くことを前提とした場合、
良い・正しい姿勢とはどうあるか？
一般的な指標
「耳の穴・肩・股関節・くるぶしが一直線」
これに縛られて動きづらくなるようなら、
考えて損はないと思います。
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