このところ、改めて姿勢について考えを巡らせております。
良い（正しい）姿勢の評価ポイントって、聞いたことありますか？
私の記事に辿り着く方の多くは、ご存知かと思いますが、
概ね、横から見て
「耳の穴・肩・股関節・くるぶし」
が垂直（鉛直）線上に並んでいることと言われています。
（自分では写真を撮らないと、分かりませんね。）
これ、確かに、バレエでは当てはまると思うのですけど、
日本舞踊や能などでは当てはまらないんです。
どちらも美しく良い姿勢であることには変わらないはずなのに・・・
このバレエと日本舞踊や能などとの違いは、
また改めてお伝えできればと思うのですが、
そもそもの良い姿勢の評価ポイントが、本当に正しいのか？
なんです。
いえ、もう少し誤解の無いように言いますと、
使えるのか？
なんですね。
と言いますのは、
この評価ポイントは、あくまで物体としてカラダを見ているんですね。
意思を持たないただの棒を立てた状態として見ている。
それは、「自ら動く」ということを無視しているということ。
ですから、動くことを前提とせずに、
「ただただ立つ」だけでしたら、この評価ポイントは有効なのですが、
「自ら動く」生き物としての、評価ポイントとしては違ってくるのでは？
と思うんです。
私たちは、いつでもどっちにもサッと動けるようにしようとしますと、
いくらか腰を落とすような、膝を曲げるような姿勢になりますでしょ？
自分の周りを敵に囲まれた状態を想像すると分かりやすいでしょうか？
ただ立っているというのは、達人でしょうけど、
それは一旦、置いておきますね。
そうでなくても、スポーツの場面、野球でもテニス、サッカーでも
必ず腰を落として・膝を曲げて構えていますよね。
それが一番反応しやすいからです。
この腰を落とした姿勢では、必ず上体が前傾します。
もし、垂直のままですと、むしろ動きづらくなります。
ところで、腰をお落とす・膝を曲げると表現してきましたが、
実はこの姿勢で何をしたいのか？と言いますと、
股関節を緩めたいんですね。
いくらか股関節を曲げておくと言いますか、
曲げやすい状態にしておきたいということなんです。
ですから、腰を落とすと言いましても、
それは垂直に落とすのではなく、
極端な言い方をしますと、
お尻を後ろに突き出すような感じなんです。
それで、上体が前傾するわけです。
で、先ほど置いておいた達人ですが、
達人の場合、ただ垂直に立っているような中で、
股関節を緩めていられるので、
腰を落として構える必要がないのです。
と、ここで考えてみますと、
もし達人の姿勢が、あの評価ポイント通りだったとして、
一方、達人でもなんでもない、ごく普通の人で、
やはりあの評価ポイント通りの人がいて、
これは同じ評価をしていいのか？
なんです。
あるいは、
もし達人の姿勢が、あの評価ポイントからズレているなら、
その評価ポイントは、何を評価しているのか？
真面目な人ほど、この評価ポイントを絶対視してしまい、
例えば、その良い姿勢で歩かなければ！と
実は、動きづらい身体のままで歩くことになってしまうのではないかと
思うんですね。
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