身体の使い方は正解があるような、無いような、
分かりづらいところがありますね。
私は基本、有効かどうか?という考え方でして、
「和の身体/西洋の身体」というのも、
有効に働かせられるかどうかが重要であって、
囚われてどちらかしか認めないとか、良し悪しといったことにはしたくないんですよね。
で、今回のお話は、この記事だけでのお話で、
レッスンでも特に言及することはない(チラッと触れたことがある程度)
身体の使い方の一つの考え方です。
まず、背骨ですけれど、横から見ますとSの字を描いています。
このSの字を背骨ではなく、身体全体、足元から首元までで考えてみてもらえますか?
身体を横から見て、下半身と上半身でSの字を描くような姿勢をイメージするんです。
正のSの字と逆Sの字、2つ考えられますよね?
ただ、Sの字といいましても、そんなに極端なカーブではなく、
傍目にはなんとなくですよ。
正のSの字で、真っ直ぐとするのか?
それとも、逆Sの字で真っ直ぐとするのか?
といった感じです。
私の考えでは、左向きに立っているとした場合に、
正のSの字を真っ直ぐと捉えるのが、和の身体。
逆Sの字を真っ直ぐと捉えるのが、西洋の身体。
以前の記事『姿勢の評価、何が正しいのか?』
の写真を見ていただきますと、
左向きで立って正のSの字が和の身体というのが、お分かりいただけるかと思います。
お分かりいただけるというよりも、こういうことを言っているのだと
理解していただければと思います。
西洋の身体、バレエの姿勢はほぼ垂直、一直線ですけど、
実は、左向きで立って逆Sの字。
そのために、あれだけ極端なターンアウト(外旋)、つま先を外に向ける。
だと、思うんです。
日本は顎を引くことで力が出て、英語ではチンアップ(顎を上げる)で元気になる。
これも、Sの字を考えると自然なことに見えるんです。
上半身のカーブと反対のカーブを作っているんです。
カーブに沿ってしまうと、エネルギーが逃げてしまうのです。
ところで、
正と逆のSの字を、スムーズに切り替えていく様は、イメージ出来ますでしょうか?
波打つ感じです。
正のSの字と逆Sの字、そしてその間を移行する波。
この波の幅の偏り方が強いと、例えば、和でしか動けないみたいな感じになります。
動けないわけではないですが、エネルギーが通りづらい。
形だけになりやすく、ケガもしやすいとなります。
日本人は生活様式が西洋であるために、
和の身体としても西洋の身体としても機能していない人が多いと推測されます。
そんな中で、西洋のメソッドで身体の使い方を良くするというのも、
日本のもので良くするのも、
どちらかに偏らせようとしているわけです。
良し悪しではありませんよ。
ただ、どちらかをを絶対視するのは、どうかな?と思うのです。
何がしたくて、何をしているのか?
身体の使い方の正解は、ある意味、自分で決める必要があるのかもしれませんね。
新著
●第1章 バネを利かせる! 地面反力
●第2章 敏捷になる! 股関節の抜き
●第3章 腕に螺旋エネルギーを通す!
●第4章 脚に螺旋エネルギーを通す!
●第5章 触れ方の質を上げる!
●第6章 想いを伝える、届ける!
●第7章 日常生活で動きの質を上げる!
次回アートマイム公演 3月27日