筋トレやストレッチという考え方でトレーニングをしない。
自分自身も生徒さんにも、基本こういった姿勢でやってきています。
本でしか私のことを知らない場合は、いくらかの誤解はあるようですけど、それはそれとして、
レッスンの場で、私が生徒さんをどういう目でみているか？
これが分かりますと、
冒頭の言葉の意味が、より分かるのではないかと思います。
私が生徒さんを見る一番のポイントは、
エネルギーが通っているかどうか？です。
そもそも、筋力を上げよう、柔軟性を高めようというレッスンではなく、
エネルギーを通せるようにしましょう、というレッスンですからね。
ということは、上手く通せないから練習をするわけですから、
通っているかどうか？というより、
通り道を探っているかどうか？
そこが一番重要なポイントになるんですね。
人によって、筋力も柔軟性も違いますでしょ？
ですから、例えば、腰を低くしたまま動くとしましても、
どの程度低く出来るかは、当然違いますよね？
どんな動きにしましても、
肩や股関節の可動範囲だって違いますから、
同じ動きにはなりません。
ところが、エネルギーが通っていますと、
腕がそんなに上がらなくても、
脚が開かなくても、
同じ動きになるんです。
寸法的には違う大きさでの動きですけど、
雰囲気が同じと言ったらいいでしょうか？
そういった意味での同じ動きになるんですね。
それは、たとえエネルギーの通りが十分でなくても、
そこに向けて動いていれば（探っていれば）
それは、こちらには分かります。
仮に、筋力が強かったり、柔軟性が高くて
それらしい形を取れていたとしましても、
通っていなければ、間違ったことをしているとなるわけです。
実際、ある男性は柔軟性に乏しく、
みんなと同じような形は取れません。
ですから、動きを寸法的に見れば小さい。
けれど、エネルギーを通すことは、
他の人よりも長けています。
十分レッスンの意図を掴み、成果も出ているということですね。
もちろん、柔軟性が上がるに越したことはないのですが、
それは、その人なりにやっていけばいい。
そう思っています。
（柔軟性という点では、高い人の方が、
むしろ、エネルギーを通せない人が多いんですよね。。。）
筋力に関しましては、それなりに筋力を必要とする動きの場合、
本当はエネルギーが上手く通せていないにもかかわらず、
それっぽくやれてしまうことがあるので、注意が必要。
そこから少し発展させた動きが出来るかどうか？
で、本人が「実は違うことをしているのでは？」と
思ってもらえるようにしたりします。
どういった視点で生徒さんの動きを見ているか、
何となくでも、伝わっているでしょうか？
踊りの振付という視点を取り入れると、
さらに、分かるかもしれません。
先の柔軟性に乏しい、けれどエネルギーは通る男性、
もし、グループでのダンスとしますと、
彼だけ、動きが小さくなり、メンバーから外れてもらう必要があるかもしれません。
筋力でそれっぽく出来てしまう人の場合は、
メンバーに入れるでしょう。
たとえ、エネルギーが通っていなくても。
これが、アートマイム作品に出てもらう場合は、違ってくるんですね。
先の男性は、もちろんメンバー、それも重要な役割を担ってもらいます。
後者の筋力の人の場合、その人は外れてもらう感じです。
柔軟性が高いだけの人も、外れてもらう。
質（雰囲気）が伴わないからです。
このように、踊りとでは、動きの捉え方が逆になるんです。
踊りかアートマイムか？ではなく、
動きをどう見ているか？ということです。
私のところでは、筋力や柔軟性によって、それっぽく出来ることを求めていないということなんです。
たとえ、（一般的に言われる）筋力が弱くても、柔軟性に乏しくても、構わないんです。
（「たとえ」であって、実際にはキツさのあることをしますので、誤解のなきよう。）
筋トレやストレッチという考え方でトレーニングをしない。
エネルギーを通せるようになる。
それは、神経系のトレーニング。
筋トレやストレッチという物理的なトレーニングではないということ。
まだまだ、一般的ではないトレーニングですけど、
理解が広まるといいなと思っています。
新著 9/30発売！
●第１章 バネを利かせる！ 地面反力
●第２章 敏捷になる！ 股関節の抜き
●第３章 腕に螺旋エネルギーを通す！
●第４章 脚に螺旋エネルギーを通す！
●第５章 触れ方の質を上げる！
●第６章 想いを伝える、届ける！
●第７章 日常生活で動きの質を上げる！
次回アートマイム公演 3月27日
