背骨に螺旋エネルギーを生み出せるかどうか?
私は非常に重視していまして、
けれど、これがなかなかに難しいんですね。
日本人としての和の身体だからなのか?
それとも、西洋様式で生活している現代人だからなのか?
そこははっきりしないのですけど、
上半身と下半身が分断されてしまっている人が多いようです。
「ひねらない」「うねらない」「踏ん張らない」
が大事だと言われていまして、
特に「ひねらない」は、武術に関心のある人でしたら、知らない人はいないのでは?
というくらいに、ある意味画期的な考え方なんですけど、
これによって、身体の使い方が画期的に良くなった人は
多いのではないかと思うんです。
ところが、一方で、
「ひねる」「うねる」「踏ん張る」
が重要だとも私は思うんですね。
むしろ、多くの人にとって、
「ひねる」「うねる」「踏ん張る」が出来ないが故に、
「ひねらない」「うねらない」「踏ん張らない」とする必要があるのでは?
と思うんです。
この辺りのことはお話が込み入りますので、今回の主題だけに絞って進めますね。
「ひねる」ですけれど、
上半身と下半身が分断されてしまっている人、
つまり多くの人は、
腰の一点だけでひねってしまうんです。
一点というのは大袈裟にしましても、
ひねりが局所的にしか働かないということです。
それは別の言い方をしますと、
腰をひねっても、それが上半身には何の影響も無い
ということなんです。
私が重要だという「ひねる」は、
背骨全体が螺旋的に動くことなものですから、
腰をひねるということは、すなわち上半身もねじれが起きてくるはずなんですね。
ところが、上半身と下半身が分断されてしまっている人が、
これをやろうとしますと、
上半身は上半身でねじろうとしてしまうんです。
仕方ないと言えば仕方ない。
もともと腰のひねりが上半身に何の影響も及ぼさないわけですから、
自ら上半身をそれっぽく動かすしかありませんものね。
いくらそれっぽくしましても、
そこにはエネルギー的な繋がりがありませんし、
それっぽいとは言いましても、
やはり、雰囲気が全く違います。
このような身体で大きく腰をひねることは、
それこそ腰を痛めてしまいますよね。
「モデル歩きは腰に悪い」と言われますけれど、
これも、このような身体で腰をわざと大きく動かすから
腰に悪いんですよね。
モデル歩きが腰に悪いのではなく、
「モデル歩きが出来ない」と考えるべきなんです。
といったようにですね、
上半身と下半身が分断されてしまっている人が腰をひねりますと、
身体全体にエネルギーが通らなくなります。
以前、アルゼンチンタンゴのダンサーについてお話したことがありますけれど
(https://jidai.hateblo.jp/entry/2020/06/17/155020)
同じことですね。
身体にエネルギーが通っていないところで、
情熱的に見せようとしますから、どうしても無理が生じます。
情熱は主に胸に現れるわけですけれど、
腰のひねりによって背骨に螺旋エネルギーを通せないタイプの人は、
自然な状態では上半身が休んだままですから、
故意に上半身にエネルギーがあるように見せる必要が出てきてしまうんですね。
ひねることが出来るようになることは、全身の連動性に大きく関わってきますので、
腰を痛めないように取り組んでみてはいかがでしょうか?
アートマイム公演 2月8日(火) 公演写真