パントマイムといいますのは、運動ではなく表現でありますけれど、
身体の使い方を考える際には、運動といいますかスポーツの動きが非常に役に立つんですよ。
マイムという身体表現のための身体訓練を、いろいろ模索しておりますと、
自然にスポーツの動きに辿り着く感じでありまして、
スポーツの動きからマイムに役に立つ動きを探し出すということではないんですけど、
まぁ、どちらでもいいんです。とにかく役に立つんですよ。
例えば、野球のピッチャーのようにボールを投げる動き・・・
が、ある種の心情表現になりまして、怒り・闘争・威嚇みたいなものですと、
まさにそのままの動き・ポーズが使えるんです。
これは、クラスなどで実際に見ていただきませんと、
どういう風に同じなのか?ということは、ちょっと分からないとは思うんですけど、
決して、ボールを投げる時の手を挙げている形云々では、全くもってないのです。
そういった形は、身体表現をポーズの連続と考えるならば、役に立つのでしょうけどれど、
内側からの心情を表現する身体のあり方には、残念ながら繋がりません。
ポイントはやはり体幹・胴体にあるんです。
体幹・胴体の「捻れ」です。
ただ、この捻れ、気を付けませんとやはり形になってしまい、
役に立つことのない、表面的な使い方になってしまいます。
どう気を付けるか?
ひと言でいいますと、表面的には捻らず、内部を捻る。
この間、3軸のお話をしましたけれど、この3軸全てを同時に活かした、
立体的な捻れです。
(数学でやりましたでしょ?「ねじれの位置」って。あの感じが分かりやすいと思います・・・
って、ほんとに分かってもらえますかしら?)
で、まぁ、具体的な動きの説明はともかく、
そのピッチャーの投球動作を、より力強く正確に、エネルギー漏れのないものに出来れば出来るほど、
心情表現がよりパワーアップしまして、且つ美しい動き・形になるんです。
もちろん、気持ちの乗り具合も変わってきますよ。
心情を身体で表現するための訓練が、曖昧な世界になりがちなところを、
このスポーツの動きで訓練しますと、動き・強さを実感できますから、
ほんとに正確な動き・形を習得できるんです。
「正確な」と言いますのは、「美しい」ということに繋がります。
表面的なきれいさではなく、中味が濃くなることで、
動き・形に命が吹き込まれるということ。
この練習方法、楽しいですよ。
私、大好きです。