オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

気持ちが追いつかない身体

さて、続きのお話です。

気持ちと身体がちぐはぐになる原因としまして、
「気持ちより先に身体を動かしてしまう」
ということを挙げましたけれど、同時に
「身体は心・気持ちが動かすんです」とも言っておりました。

ん?ちょっと矛盾があるのでは?
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、
ちょっと言い変えてみましょう。

「感情が生まれる前に、運動として身体を動かしてしまう。」
ことが、ちぐはぐの原因ということ。

前回、気持ちと身体の結びつきについてお話しましたけれど、
感情にはその感情に沿った動きがありますでしょ?

(本当は、動きというよりも、エネルギーと言った方が私自身にはピンと来るのですが・・・)

「先に身体を動かしてしまう」といいますのは、
感情と動きとの本来の密接なつながりから生じる動き(エネルギー)の延長線上にある動きではなく、
こういう動きをすれば、悲しそうに、あるいは嬉しそうに見えるだろう、
という動き(ポーズ)を作ろうとしてしまう、ということなんです。

そういった気持ち・感情が生まれるより先に、身体を運動体として動かしてしまう・・・
前回お話しました「身体が感情を感じる」ということのないうちに、動いてしまう。

そうしますと、もう気持ちはその動きに追いつけないんですね。

例えばスキー。
足が先に滑ってしまうような感じになりますと、上体がついていかず、尻もちをついてしまうのと似ていますね。
上体はまず、足に追いつくことは出来ません。

運動体として先行してしまった身体の動きに、後追いの気持ち・感情が追いつくことは不可能なんです。

よくいわれる「演技をするな!」といいますのは、まさに、このことなんですね。

心・感情・気持ちが乗り遅れてしまった、運動体としての身体からは、その人の心は伝わったきませんでしょ?

(当たり前ですよね。その身体はからっぽなわけですから。)

伝わるのは、その人の頭の中のことです。
悲しい・嬉しい気持ちを表そうとしている、その頭の中の意図しか伝わらないんです。

感情が伝わるのとは、まったく違う話ですね。

出来ることならば、満員になってから出発したい・・・
心・感情・気持ちがたっぷり詰まった身体が運動体として動けるといいですよね。

内面が身体を押し出すように。

ところで、「身体が感情を感じる」ってどういうこと?それにはどうしたらいいの?
という疑問が湧いてきますよね。

それには『エモーショナル・ボディーワーク』という画期的な方法があるんですけど、それはまた・・・

(アクトクラスや呼吸クラスでは、大切なワークです。)

とにもかくにも、気持ちと身体がちぐはぐになるのは、
感情が生まれる前に、運動として身体を動かしてしまうからなんですけど・・・

感情が生まれるといいますのは、感情を頭の中で強く思うことではありません!
ここは、ほんとうに大切なポイントです。

感情に沿った動き(エネルギー)が身体に生まれる、ということです!!!

気持ちと身体を一致させて動くということは、思った以上に大変なことなんです。
それなりの訓練が必要なんです。

このお話はまだまだ続く?