今回のフェスティバルのように、マイムの名の下に大勢の人が参加し演じますと、いろいろと、考えさせられますね。
マイムでよく出会うタイプが大きく2つある気がします。
ひとつは
◆アイデア先攻タイプ
もうひとつは
◆タレント見せタイプ
「アイデア先攻タイプ」といいますのは、思い付いたものが、ほぼ料理されずにお皿の上に載っているようなもの。
もしくは、テクニックや構成力などが追い付かず、いい材料が活かされていないもの。
「タレント見せタイプ」は、きちんと料理されたものを提供しつつ、最大のアピールポイントは演者その人。
だれそれワールド全開!みたいな言葉がよく似合いますね。
で、こんな中に時々、
◆作品見せタイプ
が出てくる感じでしょうか?
「作品見せ」タイプは、演者の個人性が隠れ、作品の世界だけが見えてくるもの。
「アイデア先攻タイプ」の場合、タレント性が強く出てきますと、「タレント見せタイプ」のように、
タレント性ではなく作品の世界観が強く出てきますと、「作品見せタイプ」のようになるのかな?と思います。
タレント性も強く、作品の世界観も強い場合は、その演者にハマってしまうファンのような人が増えるでしょうね。
ある意味、宗教の教祖様みたいな感じかしら?
さて、この中で最も気を付けないといけないなと思われるのが
「作品見せタイプ」に至らない「アイデア先攻タイプ」。
このタイプは、自分の技量を相当冷静に見極めませんと、見るべきところが無くなってしまいます。
タレント性もなく、作品も伝わらないとなるわけですから・・・
ただし、今もっている技量の中で、きちんと冷静かつ真摯な姿勢で作っていきますと、必ず伝わると思いますし、
日々の訓練でテクニック・演技力・作品の構成力を磨くことで、伝える力を強くできるはず。
そして、この日々の訓練においてとりわけ重要なことが、
テクニックと演技力の融合なんですね。
今回は詳しくは触れませんけれど、融合といいますのは、ひと言でいいますと、
全てが演技力だけで成り立っているようであり、全てがテクニックであるような、といったところです。
ポーリッシュマイム(JIDAIマイム)が最も大事にしているところですね。
またの機会にお話させて下さいませ。