オーガニック・アートマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

例えば、丹田。

きのうの土曜で、今年のクラスが終了しました。

今年も大勢の新しいクラス生が増え、年齢も職業もバラエティに富んでいまして、本当に楽しませていただいています。

ポーリッシュマイム(JIDAIマイム)の下で、いろいろな人が、それぞれの楽しさを見つけてくれていることは、嬉しい限りです。

ところで、実はですね、ポーリッシュマイムの指導とはいいましても、
私自身が教わってきたようには指導していないんです。

それも、ちょっと違うといったどころではありません。
本質的なところは、押さえているつもりですけど、
私がやらされてきた訓練は、ほぼ伝えてないに等しいんです。

えっ!?それでいいの?

と思われるかもしれませんよね。

と言いますのは、私自身がそのやり方では、うまくいかなかったからでして、
例えば、ポーリッシュマイムで最も重要視されるものに、丹田丹田という言い方はしませんけど)がありまして、
ここでのインパルスが全身の動きの始まりであり、終わりだということで、
まぁ、それはそれは、どれだけ練習したことか・・・

当時ポーリッシュマイムを教わっている生徒の中では、一番分かってはいましたけれど、
本当の意味では掴みきれていなかったんです。

あぁ、このことかぁ!

と分かってきましたのは、正直なところ、ここ数年のこと。

で、分かってきますと、この丹田でのインパルスというのは、きちんと身体を使えている時の、結果なのではないか?
ということなんですね。

よく、お腹に力を入れろ!とか、お尻を締めろ!って言いますけれど、
あれも、言葉通りに受け取ってしまうと問題が生じてしまうんです。
(今回は詳しいことは置いておきますけれど)

つまり、全身をうまく使っている時の、一番意識が行きやすい場所が、そこだ、ということであって、
決してそこをどうにかすれば、全身がうまく使えるということではないんです。

逆は成り立たないというわけです。

12年程前にクラスをやり始めた頃は、それが一番の基礎だと思い、丹田丹田としょっちゅう言っていたんですけど、
今現在のクラスでは、丹田という言葉は全く口にすること無く、インパルスの話もすることはありません。

本当に身体が使えてきた人には、どこかの段階できちんと伝えようとは思いますけど・・・

丹田に限らずですけど、一見分かった気になりやすい言葉というものは、扱いが難しいですね。

言葉は頭での理解で止まってしまい、身体に下りてこないことがほとんど。
(巷に教則本が多いのは、そのせいですよね。)

ちょっと日常生活では聴き慣れない、専門的な感じの言葉での指導には、十分な注意が必要です。
教える方も、教わる方も、その気になっているだけで、本質を取りこぼす可能性が非常に高いですからね。

実践の伴わない知識では、
頭は満足するかもしれませんけど、身体は満足しないということに気が付くことは大切です。

私は別に研究者ではありません。あくまで実践者。
みんなにも実践者になってほしいですしね。

みんながただその気になるのではなく、むしろ全くその気になっていないのに、
実践者としていつの間にか上達している姿を見ていけるのは、私には幸せなことです。

年明けは6日から。それまでクラスがないのが、寂しいです。。。