オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

パントマイム、子供向けにする?

先日、縁ありまして、ある幼稚園で
サックスを吹く方との共演という形で、パントマイムを少ししてまいりました。

幼稚園の子供向けといいますと、一般的には面白くて笑えるクラウン的なもの、コメディータッチのものとなるのかもしれませんけれど、
私は子供だからこそ、そういったものではないものを見て欲しいなぁと思いまして、
これまでやってきました舞台向けの作品から演目を決めたんですね。

ひとつは『還る』。
もうひとつは『牛』。

(それぞれに、サックスの生演奏! いいですよね。)

『牛』は元のものより、かなり短くコンパクトにしまして、4分くらい。
『還る』も若干短くしまして、やはり4~5分でしょうか?

ただ、どちらも明確にお話があるわけではありませんし、
「壁」などの一般的なテクニックもでてきません。
大袈裟におかしな表情をするわけでもなく、特別楽しく明るいものでもありません。

あらあら、どうなることやら・・・って感じですよね。

子供達のお母さん方も一緒に観られるんですけど、あとで
「あれでは子供には難しすぎる。」
「壁とかを見たい。」
「もっと楽しいものがよかった。」

なんて、言われかねません。。。

で、どうなったかと言いますと、
ありがたいことにそんな心配は全くの杞憂に終わりましたぁ、、ほっ。

それぞれの演目の前に、少しばかりの説明はしたんですけど、それも、まぁ、どんな人物が登場するかということくらい。

けれど、生演奏の力もありまして(いやぁ~、生演奏はいいですよぉ~)、子供達は大盛り上がりで見てくれたんですよ・・・びぃっくり!でしたね。

例えば、『還る』では、胎児から赤ちゃん、子供、青年、大人、老人、となっていくんですけど、その変身過程(モーフィングで~~~すっ!)で、大騒ぎ、大騒ぎ!

といった感じでして、いやぁ~~、よかった、よかったぁ、です。

そんな子供達の姿を見、お母さん方、幼稚園の先生方の喜んで下さった言葉を聞き、
「あぁ、なんて貴重な機会を与えて下さったのか」
と、ほんとに感謝、感謝。

ここで、貴重な機会といいますのは、もちろん私自身にとりましてもですけど、
子供達、先生、お母さん方にとっても、です。
(偉そうですけど・・・)

子供向けにと、その場の瞬間的なウケを狙ったものではなくとも、伝えられるし、十分伝わる(楽しんでもらええる)ということ。

いわゆるお話らしきお話がなくとも、伝わるということ。

パントマイムがイコール大道芸や滑稽なものというわけではないということ。


帰りに、花束ではなく、その幼稚園で子供達が育てているホウレン草とカブを、リボン付きでいただいてしまいました。

こんなに嬉しい贈り物はないですね。
最高ぉ~~っ!のプレゼントでしたぁ~~~。

いい日だったわぁ。