オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

人前で初めて演じる

前回紹介させていただいた女性が、初めて臨んだ発表会についても、こんなふうに書いてくれています。


彼女曰く、


発表会ネタは,あまりに個人的なことだったので余計かと思ったのですが,
私のまわりには,マイム=人前に出ることと考えて.ひいてしまう人もいるので,
「自分みたいな普通の人でも舞台楽しめます」みたいなことが言いたくて書いてしまいました.


とのこと。


前回に引き続き、頂いた文章そのままでの掲載です。



.発表会のこと


2010年秋にJIDAIさんが初めて企画した発表会にも参加した.

人前で演技することを意識してはじめたわけではないけれど,
「こういう機会ならば,本番を迎えるプレッシャーで一生懸命練習して,マイムの新しい見方やモチベーションができるのでは」
と思ったので,ソロでやってみることにした.



マイム作品を創るときは,体の動かし方だけでなく,ストーリーの展開や,人が見たらどう思うか?などたくさんのことを意識しながら組み立てていかなくてはならなかった.
今にして思えば,反省点はいっぱいある.
でも,普段の生活では味わえない時間や知恵の使い方が必要で,取り組んでいる間はずっとおもしろいと思っていた.



本番はすごく緊張して,失敗もいっぱいした.

でも,観てくださったお客さんが,真摯なアドバイスや感想をアンケートに書いてくれたことで,すごく嬉しくなった.
またゆっくり練習していこうという気持ちが湧いてきた.



マイムでは,その時自分にできることが,きちんと形になっていく.
発表会に出演したことは,そのことを実感できたプロセスだった.
プロのパフォーマーになる気がないからと尻込みせずに,やってみてよかったと思う.



ここまでです。


彼女は、この発表会に当たって、本当に一生懸命で、だいぶキツいことも言ったんですけど、
へこたれることなく、週に1度の練習では、毎回必ず自主稽古の跡がよく見える状態で臨んできていまして、感心させられていたんです。


もちろん、他のメンバーもみんな同じように、真摯な姿勢で取り組んでいましたけれど、
彼女の場合は、本当に初めてづくしのことばかりで、相当に大変だったと思うんです。



マイムってセリフが無いので、言葉を覚える必要がなくて、楽かな?と思いますよね?
それに、「カベ」などのマイムっぽいテクニックが出来れば、何とかなるのでは?
といった感じだと思うんですけど、全くもってそんなことはないんです。
(殊に、オーガニックマイムの場合は。)


このあたりのことは、また改めてお話しするとしまして、
自分のイメージと他人の目とのギャップを埋める作業というものが、これほど大きな問題として降り掛かってくるということが、
普通にはあまりないと思いますので、彼女にとっては大きな出来事だったことでしょう。



けれど、やはりトライしてみてよかった、という気持ちを持ってもらえたことは本当に嬉しいですし、彼女の心の強さを感じさせられました。


と同時に、彼女の謙虚さ、強さを見習わなければと、私も刺激を与えてもらえて感謝しています。
ありがとう。



マイムから心と体の平和を。