まだ高校生だったか大学1年だったか、パントマイムを一度だけ習いにいったことがあります。
どなたが主宰のグループだったか、全く分りませんけれど、とにかく行ってみたんです。
演技をさせられました。
「はいっ! 向こうにお化けが見えて、腰を抜かして怖がって、慌てながら後ずさりする!」
みたいな。。。
すっごい、ぃやでした。
「はいっ! もっと慌てて!」
やりたくないよぉ。。。
どうも、こういうところは多いようです。
ひと通り体を動かしたり、マイムテクニックを練習したあとは・・・
「はいっ! イメージしてぇ、あなたは今、お腹が空いていますよぉ。食べ物を探しているうちに、断崖絶壁にきてしまったぁ。。。」
これ、子どもは楽しいかもしれないなぁとは思うものの、
パントマイムと称してやること?と思ってしまいます。
大人はどうなんでしょう?童心に帰れる、とかなんでしょうか?
これ、何十回となく繰り返し稽古をするんでしょうか???
この「イメージしてぇ!」で同じ状況を何十回もやるとは思えないですけれど。。。
お芝居という点では、いい稽古なのかもしれませんが、それもよく分りません。
私は苦手。。。
恥ずかしくて出来ません。。。
マイムって、無言芝居ではなく、身体表現です。
もちろん、ここでいう身体表現は「カベ」や「カバンの固定」のようなテクニックではないですし、
踊り的なことでも、アクロバット的なことでもありません。
少なくとも、オーガニックマイムではそうです。
(もちろん、それらと全く断絶しているわけではありませんけれど。)
マイムは無言でお芝居することではないと思います。
「マイムの言葉」で語れるかどうかだと思います。
そして、マイムにおいては、身体を動かすことが身体表現だと考えてもいけないと思うんです。
オーガニックマイムではそう考えています。
動かないでも表現できているものを、動きによって表に出す。
これ、決して「(動かないで)イメージできているものを」ではないですよ。
すでに、身体の中で表現できているかどうかです。
そういう意味では舞踏だと思います。
けれど、舞踏と違うのは、具体的に表に出すということかと思います。
他の人のマイムの稽古法はそれはそれとして、オーガニックマイムの稽古法としましては、今のところ「はいっ! イメージしてぇ。」はありません。
そのやり方で、身体表現が身につくとは考えづらいんです。
マイムが身についてからでしたら、いいかもしれませんが・・・
こんなこと言うと、他のマイムの人から反感買うかしら?
それでも、やはり言わなければと思うんです。
マイムが個人のタレント性に頼ったものとしてではなく、身体表現芸術として存在するために。
マイムから心と身体の平和を。