オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

「立つ/歩く」~足長ワークショップで~

先日、足長ワークショップで「立つ/歩く」のレッスンをさせていただきました。


・・・足長???
ですよね。


これは西洋式竹馬でスティルト(スティルツ)というものなんですね。
脚の直接取り付けてしまいますから、手は全くのフリー。一本歯の下駄のものすごっく高い版。
足裏からにょき~っと長い棒が生えたような感じですね。



で、今回は、この足長を(ある程度?)履きこなしている方々に向けましての、
「より足長が自分の体の一部となるように」
といった目的のレッスンだったんです。


(ちなみに、私自身は一度履かせてもらったことがあるだけ。。。)


足長は一本歯の下駄と同じで、バランス感覚や体幹、軸といったものも自然に鍛えられるのですけれど、やはり地上でのレッスンとのバランスが必要なんでしょうね。


道具を使いますと、そのことで動きが制限されたり、ある種の力がクローズアップされますから、体の訓練をしやすいですよね。バランスボールなんていい例。


けれど、一方で、その道具の制限に勝とうといった意識が働いてしまいますと、例えば、バランスボールの上で安定するために、ボールを挟む力を使ってしまったり、足長の場合はなんでしょう・・・下半身に必要以上に力を入れてしまったり、バランスを取ることで精一杯になってしまったりでしょうか? そうしますと果たして何の訓練のために道具を使っているのか?ですよね。


と、道具を使ったトレーニングの功罪はおいておきまして、
足長という道具と仲良くなって、いかに楽に使いこなすか?
ということでの地上レッスンだったんです。



さあ、ここからはレッスンの中身のお話。


足長を履きますと、自分の足の裏から地面までは距離(例えば、60センチとか1メートルとか)がありますけれど、その足長の足裏が自分の足裏となるんですよね。


身体感覚(この場合は、足の感覚)を先に伸ばすわけです。


これを地上で行なうということは、地面に普通に立っている時に、自分の足が地中深く入っていく感覚を養うということだと思うんですね。


私の場合は、こういった練習でイメージを先行させることはしませんで、あくまで身体の使い方によって、そうイメージされるようにしていきます。
(もちろん、イメージ先行のほうが感覚を掴みやすい人には、それでもいいと思います。)


そこで、主に足首と膝を柔らかく使うことを取り上げたんですけど、こういった箇所を柔らかく使おうとしまうすと、つい「曲げる」ということに意識がいってしまうと思うんですね。


けれど、
「曲げる」という自律的動作ではなく「曲がる」という他律的動作にしませんと、本当の意味での柔らかく使うということは難しいんです。

自律的動作は頭で判断して、自分で動かしますから、タイミングも動きの幅の調整も上手くいきづらい。
他律的動作ですと、受け身なわけですから、サスペンション機能として働いてくれる。


と、言葉で言うのは簡単ですけど、それが出来たら苦労しないですよね?



でも、上手く身体が使えている時というのは、これが出来ている時だと思うんですね。
ですから、その何か上手くいっているなという感覚を、意識的に再現して持続させることが出来れば、いいんですよね。


つまり、他律的動作を意識的に行なうという、なんだか矛盾したことが出来るようになりたいわけです。



今回のワークショップでは、ほとんどの方が(足長経験が長い人ほど?)、この矛盾をぽんっと乗り越えてくれました。


さすがですね。


これが出来ますと、上半身も柔らかく使えるチャンスが出てきますから(リラックスしやすくなる)、足長でのパフォーマンスがさらに魅力的になると思います。


もちろん、地上でも同じことですから、普段から馴れていってもらえたらと思います。


参加して下さった皆様、ありがとうございました。





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