発声がランニングに役に立つ
と聞いて、どう思われますか?
ここでいう発声は、かけ声とか号令といったものではなく、
歌や謡いなどにつながる、私がワークショップなどで行なっている”声(音)を体に響かせる”
といった類いのものですけれど、きっと、普通は「?」ではないかと思うんです。
よくても、「肺活量が増えるとか?」という感じではないかと。
ランニングに限りませんけれど、一般的に、何かトレーニング的なものを取り入れるときには、
当然、それが何に役立つのか?って考えますよね?
もちろん、役に立たないものをするわけはないと思うんですけど、
何がどう役立つのか?
の想像力は、非常に重要な能力だと思うんです。
今回取り上げました発声、ランニングにどう役立つのか?それは・・・
軸がしっかりとキープ出来るようになります。
それは、筋肉で固めるようなやり方ではなく、また、姿勢という形を意識するのでもない。
なので、全く無理がありません。どんな状況にも容易に対応できるしなやかで強い軸です。
さらに、力んでしまいそうなときに、単なる脱力ではなく、
エネルギーを残しつつリラックスすることができるようになります。
どうですか?
あまり興味が湧きませんか?
ランニングのことだからですか?
けれどこれ、今はランニングに役立つこととしてお話しましたけれど、
何にでも通じることだと思いませんか?
私は声を出す、音として体に響かせることを普段から練習しているんですけど、
それは、今お話したような恩恵を受けるためなんですね。(それ以外もあります。)
発声の質を高めることが、声を決して発しないマイムに、非常に有用だということなんです。
それも、本質的な部分で。
なにせ、どんな状況にも容易に対応できるしなやかで強い軸を、
無理なく、筋肉で固めるようなやり方ではなく、また、姿勢という形を意識するのでもなく、
しっかりとキープ出来るようになるわけですし、
さらに、力んでしまいそうなときに、エネルギーを残しつつリラックスすることができるようになるんですから!
で、ここからが大事なところ。
こういった効用を、私の話を聞かずとも、感じ取れることができるといいなと思うんです。
もちろん、聞いてからでもいいんですけど、感じ取れていないのに、私が言うからそうなんだろう、
といった
知識的なものではなく、
まるで自分で気づいたかのようになれるといいですよね。
実際、そういう女性がいました。
彼女はクラス生で、1月に行ないましたワークショップ
『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く〜』に参加してくれたんですけど、
その後の普段のクラスのときに、
「あ!これって、あの声を出す時の感じですよね!?」
「声を出すときのようにすると、
呼吸が通って内側からの広がりで軸がしっかりするし、
丹田のあたりに充実感が生まれたまま、動けます!」
興奮してました(笑)
彼女にとっては、このような感覚を得たいと思いながらも、発声のレッスンを受けるまでは、
なかなか納得感の得られなかった感覚だったんです。
けれど、
発声のレッスンを受けたのは、単に、
「通る声を出せたらいいなぁ」というものだったんです。
つまり、彼女にとって発声は、軸の感覚を得るのに役立つこととは思っていなかったわけで、
通る声を出せたらいいなぁと思うことがなければ、
もしかしたら、
一生、軸の感覚を得られないままだったかもしれないんです。
(普段のマイムクラスで、発声を詳細にレッスンするわけにはいきませんしね。)
最初に、「何がどう役立つのか?の想像力は、非常に重要な能力だと思う」と言いましたけれど、
難しいですよね。
ですから、最初から自分で気づかなくても、一見自分とはあまり関係無さそうなワークを受けたならば、自分の分野にどうつながるのかを探るのは重要だと思うんです。
先ほどの女性が、もしワークを受けた後も、
ただ声のためだけと決めつけていたなら、
あのような気づきはなかった
と思うんです。
もちろん、私はレッスンの場で、そのつながりを伝えますから、
実際にはそんなことはあり得ないんですけど、クラス生でなければ、
やはり自分で気づく必要が出てきます。
そいうったことが面倒くさい、興味がないという方は、
覚えれば済む、出来る、出来ないが問題になるようなワークを受けるのがいいと思いますが
、広がりに興味ある方は、どう出来るか?を大事にしているものがいいと思います。
自分には、何が役立つものなのか?
広がりに興味のある方は、継続が大事ですよね。
出来る、出来ないではなく、どう出来るか?
ですものね。
そういった意味で、この手のトレーニングは、出来た出来ないに一喜一憂するのではなく、
また、反復練習のように行なうのではなく、ひたすら味わうことだと思います。
味わうといいますのは、感覚に浸るというのではなく、観察。
身体にどこに何が起きているのか?
心は何をどう感じているのか?
こういったことを繰り返していきますと、
自然と、何がどう役立つのか?の想像力が向上するはずです。
ちなみに、発声はピアノやバイオリンなどの楽器演奏にも役立つだろうなと思いますし、
パソコン作業が多い人にも役立つと思うんですよ。
のど周りの緊張の取り方が分かってきますと、
腕の力みが消え、指先にすっとエネルギーが行きやすくなるんです。
発声、オススメです。
よろしければ、今週末2月1日に。(下記)
2月1日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く』
2月12日 『「立つ」「歩く」レッスン 土台編/中級基礎編』
2月15日 『表現者のための呼吸 心と身体のワークショップ』
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!