オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

「アレクサンダーーテクニーク」と「原始歩き」

「アレクサンダーテクニーク」という名前を聞いたことがありますか?
 
ボディワークといいますか、身体(動作)教育といますか、私も詳しいことは分かりませんけれど、
「無意識で行なってしまっている余計なことをやめる」という考えの下に、
心も身体も自然な状態を取り戻すといった感じのもののようです。
 
特に特徴的なこととして、頭と脊椎の関係、その動きの方向性を重視していると、
私は理解しています。(見当はずれだったら、ごめんなさい。。。)
 
 
 
で、このアレクサンダーテクニークの先生になるためにスクールで勉強されている女性が、
先日の「原始歩き同好会」に参加してくれたんですね。
 
 
「原始歩き同好会」といいますのは、四足歩行、つまり四つ足ですね、
これで、代々木公園の広大な広場の一角を、歩いたり、走ったり、ときに遠吠えをしながらと、
月に1回、日曜の朝1時間強、楽しんでいる会なんです。
 
 
(怪しそうですよね 笑。
けれど、この公園はものすごく広く、且つ、それぞれが思い思いのことを楽しんでいるので、
誰も他の人のことを気にしないんですよ。)
 
 
この様々な四足歩行、単に面白いだけで行なっているわけではありませんで、
前回の記事で少し触れましたけれど、体幹から末端まで、体全体のつながりの精度を上げ、
息を詰めてしまいそうなとき、速い動き、筋力頼りになりそうな大きな力を発揮するときでも、
しっかりとつながりの状態を作っていられるようにするためなんです。
 
 
もちろん、楽しみ方はそれだけでなく、
芝と接するような低い目線、そして地面と平行な姿勢で動き回ることで、
野生に近い状態になりますから、普段使い過ぎている小賢しい頭を休ませて、
本能の働きの比重が高まることを期待している面もあるんです。
 
 
 
さて、その初参加の女性がフェイスブックで、コメントされていました。
(シェアさせていただいたので、既にご覧になられているかもしれませんね。)
 
 
「時々JIDAIさんが声をかけて下さる。」



「アレクサンダーテクニークを深めるのにとてもピッタリな動きだと思う。」
 
 
 
私がどんな声をかけたのか?
 
 
 
「頭の方向へただ重みで動いていく。」



「腰を低くすると、胴体が長く使える。」
 
 
 
(「」内は、フェイスブック上のコメント原文のままです。)
 
 
 
 
さて、この「頭の方向へ・・・」のくだりは、私の知識でも、
アレクサンダーテクニークで重要視されていることだと思っていたもので、
通じるところがあるのだなと合点がいったのですけど、
「胴体が長く使える。」というところにもポイントがあるようだと知って、
面白いなぁと思ったんです。
 
 
この「胴体を長く使う」というのは、見落とされがちですけれど、とても重要なことなんです。
 
 
 
私たちは、ついつい気がつかないうちに、胴体を短くしてしまう。
 
 
特に、速い動き、筋力頼りになりそうな大きな力を発揮するとき、
息を詰めてしまいそうなときなどは、顕著ですね。
 
 
 
どうして、胴体を短くしてしまうのか?
 
 
 
胴体を短くしてしまうのは、自分のほうに向かって力を伝えてしまうからなんです。
それは、力を発揮しているという感覚を味わいたいがため。そう思うんです。
 
 
本来、力は外に向かって伝えたいんですよね。
 
 
けれど、ここが、悩ましいところでして、自分の力感イコール外への力と思ってしまいがちで、
オーガニックマイム習得の際も、その思いがひとつの大きな壁になってしまうんです。
 
 
 
聞いたことがありませんか?
 
 
「上手くいったときほど、手応えがない。」
 
 
こんなときは、胴体を長く使えているのだと思うんです。
 
 
自分への手応えを求めてしまいますと、胴体を長く使えません。
 
 
これは、手応えがなくても、むしろ手応えが無いほうが、上手くいくんだ
という経験を積むしかないとは思うんですけど、
手応えを求めてしまうのは、不安もあるのだと思うんです。
 
 
それは、力が外に向かって出せていないのではないかという不安とは別に、
 
その環境、状況に身を投げ出すことへの不安。
 
 
 
 
「頭の方向へただ重みで動いていく。」が出来るかどうかにもつながってくると思うのですが、
進行方向への重みの利用といいますのは、何も四足歩行に限らず、普段の歩きでも同じことで、
これが出来ないというのは、

転倒してしまうことへの不安から、
自分の内へと力を向かわせて倒れないように体を固めておいて、
脚の力でその体を運ぶという形になってしまう。
 
 
ランニング、ジョギングされている方でも、こういう感じの方は多いですよね。
 
 
 
 
胴体を長く使うというのが、形(姿勢)の問題ではないということが、

見えてきますね。
 
 
 
 
「その環境、状況に身を投げ出す」は大袈裟かもしれませんけれど、
「その環境、状況を受け容れる」ことで、胴体を長く使える、つまり、事がスムーズに運ぶような気がしますし、
逆に、胴体を長く使うことで、その環境、状況を受け容れる可能性が高まるのかもしれないと思います。
 
 
 
 
四足歩行は、実にシンプル。
シンプルな分、その人の特性が出やすく、また一方で、非日常的な動作なので、
本人が誰に指摘されなくとも、自分のその特性に気がつけるんです。
 
 
自覚のないものは修正が難しいですけれど、容易に自覚できるので、修正のチャンスが高まりますし、
何より、四足歩行は楽しみながら、上達具合もはっきり自覚できますので、
それぞれの課題を持って臨まれると、効果的ではないかと思います。
 
 
最後にもうひとつ付け加えて…
 
 
「原始歩き同好会」では、ときに遠吠えをしながらとお話しましたけれど、
これは、今年に入ってから始めましたワークショップ『声(音)を響かせる〜身体感覚を磨く』
に通じていまして、このワークショップの効用でも謳っている
 
 
”呼吸が通る”
 
 
ということが、とても掴みやすいんです。
 
 
まぁ、逆に言いますと、ある程度、呼吸が通っていませんと、
気持ち良い遠吠えにはならないものですから、容易に自覚が促されるということなんです。
 
 
その意味では、ワークショップ『声(音)を響かせる〜身体感覚を磨く』に参加して、
感覚を掴んでおくと、いい感じで遠吠えが出来ますね(笑)
 
 
ちなみに、このワークショップでは四つん這い、あるいは腕立て伏せのような状態で
声(音)を出すということもやりますので、”呼吸が通る”を体感していただけると思います。
 
 
 
四足歩行、一見ばかばかしそうなことですけれど、
 
 
効用の大きさは計り知れません。
 
 
普段の二足歩行が軽くなるというのは、よく聞きます。
 
 
次回は2月8日です。ぜひご一緒に!
 
 
 
 
 
 
2月1日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く

 
 
 
2月12日 『「立つ」「歩く」レッスン 土台編/中級基礎編

 
 
2月15日 『表現者のための呼吸 心と身体のワークショップ』

 
 
 
 
 
 
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!
 
 
 
 
マイムから心と身体の平和を


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