オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

バレエの教え、日本式?

日本のバレエ界と、海外(アメリカ)のバレエ界の違いが、垣間見えるようで面白い!

アメリカのバレエ団で踊られていて、今は日本で踊りながら先生もされている女性。
先日、2度目の個人レッスンに。





レッスン内容は、ご本人自身の身体の使い方の精度を上げることと、
教え子さんへの効果的な指導法のためのアドバイスなのですが、
ご本人の苦労を聞いていますと、



日本で多く見られる教えに、

ご自身の体の感覚がしっくりこないと。




どうも、その理由が、骨格の大きな違いによるようなんです。




彼女はまるでバレエをするために生まれてきたような骨格、といえばいいのでしょうか?

骨盤、股関節、足首、膝、肩甲骨、胸郭・・・あらゆるところが、
まぁ、要するに欧米風でして、バレエのいろいろな動き・形が、なんなく出来てしまうんですね。





ところが、日本でご自身が教えを受けると、

例えば、”引き上げ”が悩みのタネになってしまう。




彼女自身は、あまり”引き上げ”を意識させられると、

上半身の動きに伸びやかさがなくなり、良くないのでは?と思っているものの、

日本ではみんな、物凄く引き上げを重視するため、



どっちがいいのだろう? と。








私は、バレエの専門家ではありませんから、
その世界独特の価値観に関しては何ともいえませんけれど、

多くのバレエダンサーが上半身が固くなり、伸びやかさのない、
ひいては情感のこもりづらい動きをしているように見受けられるのは、

このお話を聞いて、もしかしたら
”引き上げ”を頑張り過ぎているからなのでは?と思ったんですね。




腕ばかりが優雅に動いていて、
胸の中から(あるいは腰、丹田から)動けいていないために、
飾り物に見える。






ところで、この”引き上げ”って、意外に定義がはっきりしないらしく、
何をもって”引き上げ”といっているのかも、人によって微妙に違うんだそうです。




で、この女性も、お腹の深いところでの”引き上げ”は起きていて、その自覚もあるんですね。

だからなのか、


アメリカでは”引き上げ”に関して、

特にいわれたことはないんだそうです。






この他にも、バレエでは決定的に重要な”股関節”や”足首””足指”も、
あるいは”肩甲骨””胸郭”といったところまで、


話を聞けば聞くほど、


日本で多く見られる教え方には、

無理があるように思いました。







私が思いますに、バレエという欧米の踊りを、日本人が習得しようとしますと、

根本的な骨格の違いから、

かなりの無理をする必要が出てきてしまうがために・・・
いえ、もしかすると、本来は無理をする必要がないのかもしれませんが・・・





言い方は悪いですけど、表面的に欧米人ぽくしようと、

力づくで、それっぽくしているのではないか?





つまり、”引き上げ”は、本来、下半身に重みを加えず動きやすくするためであるのに、
必要以上にこだわってしまう。



それは、欧米人の骨格が、立体的な胸郭と前傾的な骨盤であるがために、
平面的な胸郭で後傾的な骨盤の日本人は、
”引き上げ”だけで、それを解決しようとしてしまっているのではないか
ということなんです。





欧米人が和服を着たときの

違和感、腰が決まらない感じって、

ありますでしょ?




あれを矯正するのに、無理に膝を深く曲げたり、体全体を縮めたりするって、
可笑しいと思うんですけど、なんだか、そんな感じなのではないか?と。






そんなこともあって、この女性のように骨格が欧米人のような
(ご本人曰く、脚の短いアメリカ人だそうです 笑)場合、
日本式の教えは、百害あって一利無しなのではないかと思ったんです。



もちろん、日本人体型の人にとりましても、エセ欧米人を味わうならともかく、
動きづらく、情感のこもりづらい形をつくるだけですから、良いとは思えません。



とはいいましても、ここは表現の世界。
需要と供給ですから、それを見たい人、見せたい人がいれば、それはそれだとも思います。





ところで、この女性は、バレエ骨格を生まれながらにして持ってしまっているが故に、
そうでない日本人への指導では、自分の体感覚が通用しづらいという悩み
抱えているからでもあるのですが、非常に研究熱心なんですね。

(フェルデンクライスやアレクサンダーテクニークなども勉強されているようです。)



しかも、素晴らしい体感覚を持っている。


言い換えますと、研究熱心な上に、良い動きに対して非常に感度が高い!


ですから、レッスンをしていましても、話がツーカーで通ります。




その上で、こちらの提案を試してみてもらいますと、
より動きの精度が高まり、良い動きの核心に迫っていることを、深く感じ取ってもらえますので、
恐らく日本式の教えに対しての


「そうしたほうがいいのかな?」という悩みも、

消えていくのではないかと思います。





彼女は、レッスンの内容をさらにご自分で工夫され、生徒さんたちに伝え、
大きな効果を出しているとのこと。

こういう先生の指導を受けられる生徒さんたちは、恵まれていると思います。


真に重要なことは何か?







          
  

         4月15日
       

       『マイミクロスコープ 


    〜夜のアートマイム劇場 第十一夜〜』


                 https://www.facebook.com/events/1081872061875274/







            3月6日 『動作塾 特別講座

        (刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ)

                 https://www.facebook.com/events/1561344104189026/






   3月13日 『声(音)を身体に響かせる〜自分の内を外へ広げる

                 https://www.facebook.com/events/216380838707153/





      3月17日 『顔呼吸・丹田呼吸〜表現力に自信を〜』

                 https://www.facebook.com/events/1703501366573179/





    3月20日 『動作塾(3月のテーマ「パンチ・突き」)

                 https://www.facebook.com/events/1683670275255092/




         3月21日 『四足歩行から二足歩行へ

                 https://www.facebook.com/events/1547082325603464/






  Body,Mind&Spirit 

 本当の自分の身体は天才だ!







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