オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

本番のための稽古と、日々の稽古の違い。〜目的を持たないことの目的〜

何のために日々の練習・稽古をするのでしょうか?
 
 
本番でいい演技、演奏、踊りが出来るように?
 
 
 
 
 
と、その前に・・・ノーベル賞、今年も日本人が受賞されていましたね。
 
こういった方々のお話でよく出る言葉に、「基礎研究」というのがありますよね。
 
そして、この言葉と同時に出るのが、「何に役立つかは分からない」
 
 
 
 
 
私、日々の練習・稽古というのは、この基礎研究みたいなものだと思うんです。
 
 
つまり、誤解を恐れずに言いますと、
 
 
本番は目的ではない
 
 
と思うんです。
 
 
 
 
 
もちろん、本番に向けた練習・稽古はありますけれど、
本番を目的としてしまいますと、本番を想定できないとき、練習・稽古は一体何をすればよいのか?
となってしまいますでしょ。
 
 
 
実際問題としまして、常にどこかで本番の舞台を踏むということを繰り返している人たちがいます。
 
 
その本番のための練習・稽古期間は都度それぞれでしょうけれど、
本番が想定されていない普段の素の練習・稽古といったものがないんですね。
 
 
 
お芝居のために踊りを習うとか、踊りのためにヨガを習うとか、
そういったことも、ここでいう素の練習・稽古ではありません。
 
 
 
 
 
何のために日々の練習・稽古をするのか?
 
 
素の練習・稽古とは何か?
 
 
 
それは、ひと言でいえば
 
 
 
探求
 
 
 
 
芝居なら芝居、踊りなら踊りで、



その本質力を上げるために、

探求する。
 
 
 
 
冒頭のノーベル賞受賞者の「基礎研究」です。
 
 
 
それが、例えば、前回の記事でもお話しました
 
ぜひ、読んで下さいね。
 
 
 
 
 
ところで、先ほどヨガを習ったりすることは、素の練習・稽古ではないといいましたけれど、
その習ったヨガが、自分にとっての踊り・・・
 
個々の振付や単なる柔軟性アップといったものではなく、
踊りの本質力アップになるようにと、
 
基礎研究の材料として、自分なりの視点を持って取り組んでいれば、

素の練習・稽古として役に立ってきます。
 
 
 
 
 
そういった探求の結果として向上した本質力を携えて、本番のための練習に入る。
 
 
 
 
そして、その本番ですが、
 
本番のための練習といいますのは、
 
分野にもよるかもしれませんけれど、
 
基本的には技術的なことを練習する場・期間ではありません。
 
 
 
 
 
表現すべき内容・世界の

解釈や理解を深める場であり、期間です。
 
 
 
 
 
ということは、この本番のための練習に入ったときに、
そこでの解釈や理解に基づいた表現ができ得るだけの本質力を、
日々の素の練習・稽古でつけておかなければいけないということ。
 
 
 
そして、本番では、前回のお話の肝であった
 
 
”身体を忘れる”
 
 
 
 
こうやって本番を経験しますと、自分の本質力がいかに足りないかが分かってきます。
そうしますと、自ずと素の練習・稽古の質が上がりますよね。
 
 
 
裏を返しますと、本番を経験しませんと、本質力アップとしての素の練習・稽古の質が、
どうしても甘くなりがち。
 
 
 
本番では、やはり緊張するでしょうし、
環境(温度、床面状態、照明などの視界状況、音環境など)も違いますから、
素の練習・稽古ではなんなくできているものが、できなくなってしまったりしますよね。
 
 
 
そういう意味では、日々の練習・稽古を本番でいい演技、演奏、踊りが出来るように、
ということを目的にするのは大事ですね。
 
 
 
また、場合によっては、本番を練習の場として使うということも必要かと思います。
 
本番という特殊な環境で、試してみる。
 
この試した結果を、日々の練習・稽古での探求に還元する。
 
 
 
 
 
さて、基礎研究は何に役立つかは分からない。だからこそ基礎研究といえるのだと思います。
 
 
けれど、そうはいっても、ノーベル賞受賞者に限らず、あらゆる科学者のみなさん、
 
本人は役立つと思っているはずなんです。
 
 
 
 
ただ、分かりやすい直接的な”これのために”という目的がないだけ。
 
 
ないというよりも、設定しない。設定し得ない。
 
 
 
 
それは、
 
 
 
そういった目的をもって成し遂げられたものよりも、
 
 
無限に大きな重要性を持ち得るから。
 
 
 
 
別の言葉でいいますと、
 
 
より普遍的なものこそ価値が大きいから。
 
 
 
 
 
 
日々の練習・稽古は、この普遍力とでもいうべきものを身につけるために、行なうんです。
 
 
 
 
もちろん、こんなことをしなくても、活躍はできます。
 
 
ただそれは、世阿弥のいう「時分の花」。





「まことの花」を育てるには、普遍力。
 
 
 
 
 
本質力といいますのは、普遍力なんですね。
 
 
 
私の行なっている普段のレッスンはもちろん、
声のワークや原始歩き、身体瞑想といった、一見どうして?と思われるものも、
全てはこの本質力・普遍力の向上のため。
 
 
「まことの花」を育てるため。
 
 
 
 
日々の練習・稽古、どうされますか?
 
 
 
 
 
 
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 10月18日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第13回』

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  10月30日 『表現者のための呼吸 心と身体のワークショップ

                 https://www.facebook.com/events/721994864595198/

 
 
 
 
 
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