オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

ベースの自分

「ベースの自分」という言葉が生まれました。





「ベースの自分」とは、



「静寂」であり、

社会生活を送っている普段の自分や、素の自分といったものは、

異質な存在、

つまり「雑音」になってしまう。



そんな在り方です。








アートマイム、オーガニックマイムとして舞台に立つ際、まず何より重要なことは、


「普遍的な存在」


であることなんですね。


それは、


「誰でもない存在」であり「誰でもある存在」ともいえます。






こういったお話をしますと、





自分を消すということですか?


無になるということですか?






と聞かれることになるのですけど、


Yes」であり「No」なんです。




ややこしいですね(笑)


まるで禅問答です。






人を煙に蒔くような感じで、自分のやっている表現を神秘的に見せようとするならば、
こういった物言いで終わらせておいたほうが、いいだろうと思います。


そうして、抽象的な稽古をさせ、



「そうじゃない!」「分かってない!」



なんて言っていれば、教えを受ける側は、どんどん自分がダメなんだという思いを強くしていき、
ひたすら余計なことは考えずに、無心に師の言うことを丸呑みして、
見捨てられないようについていくことになる。




けれど、私はそういったものは好きではありません。







自分を消すのか?という質問に対しまして、実は私の答えはいつも同じで



「自分であれ」



なんです。






けれど、ここで誤解しないでいただきたいのです。

ここのところの解釈がセンシティブであるために、
これまで説明はもちろん、稽古自体も難しかったんですね。






ここでいう「自分」とは、決して、


社会生活を送っている普段の自分ではないのです。


素の自分というようなものでもありません。





そこで生まれた言葉が、冒頭の「ベースの自分」なんです。



これは、別の言葉でいいますと、




「ただただ、人間」であり「ただただ、存在」です。






音の波形でいえば、


限りなく波の無い、一本の線です。



けれど、全てが詰まった、あらゆる音を内在させた、一本の線です。


本当の意味での静寂です。







・・・と、これでは、やはり気分を浮かれさせるだけの言葉に過ぎませんよね。


これで、その状態「ベースの自分」が分かったら苦労はしません。






ですから、ここからが肝心なところになります。






先日の「プロフェッショナルクラス」で、丹田とエネルギーの話になりまして、
ある方法(これまで一度も誰にも伝えたことのなかったもの)を伝えてみました。




これが、思いのほか分かりやすかったようで、
これまでの稽古の積み重ねもあるのだとは思うのですが、
その時の参加メンバー4名全員が、すっと身体で分かってくれました。




そのまま、しばらく思い思いに動いてもらい、
その後、ある精神状態に入る方法(全員経験済みのもの)を使ってもらいました。



まぁ、精神状態といいましても、あくまで身体的で具体的なアプローチです。
特別難しいものではありません。





この全てが統一された状態で、
ジオメトリック・ポジション(幾何学的な姿勢)をとってもらいました。






ここで、「ベースの自分」を認識してもらったのです。






完全に普段の自分ではありません。



だからといって、


憑依状態のような “いってしまった” 状態では、ありません。






この点は、とても重要なところです。

我を忘れたような状態とは、全く真逆の状態です。





非常に意識がクリアな状態です。


次のことが、そのことをはっきり物語っています。





メンバーには、この「ベースの自分」の状態で自由に動いてもらいました。


自由とはいいましても、初めて経験する「ベースの自分」を、壊さぬよう注意深く動きますから、
ほとんど漂うような感じでした。



少しばかり、「何かに気づく」「何かに手を伸ばす」といったことを行なう程度です。






私がマイム指導を始めて20年くらい経つのですけれど、

かつて、これほどのシーンを見たことはありませんでした。




4人が創り出す空気感のあまりの素晴らしさに、ドキドキ興奮させられました。


こんな時がやってくるだなんて・・・







そうして、本人たちの感想はどうか?といいますと、ある女性は


「どうしても、どこかで(普段の)自分が出てきてしまう。。。」





そう!





冒頭でいいましたように、

「ベースの自分」とは、「静寂」であり、

社会生活を送っている普段の自分や、素の自分といったものは、異質な存在、

つまり「雑音」になってしまうんです。





「ベースの自分」とは、我を忘れたような状態ではなく、意識が非常にクリアですから、

わずかな雑音にも気づくことのできる状態なんです。






そして、この「ベースの自分」という「静寂」の状態だからこそ、


表現がクリアになるのです。







泣く人を演じるのではない。
(これは、ジェスチャー演技)




泣いているのを演じる人でもない。
(これは、我を忘れる演技)



ただ「泣く」がそこにあるだけ。







もちろん、常にこの状態にいられるようになるには、稽古を進めていく必要はあります。



けれど、「ベースの自分」を一度でも体験することは、世界への対峙の仕方が変わります。





「ベースの自分」・・・いい言葉が生まれました。










  10月30日
 『刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ
                
               https://www.facebook.com/events/340044429669438/






       11月6日
 『走り(急歩・競歩)<動作塾>               
                https://www.facebook.com/events/587811651426003/




    11月6日 『原始歩き同好会』(アーシング・スタイル)            
              https://www.facebook.com/events/1088547367848791/





        11月13日
 『声(音)を体に響かせる

              (自分の内を外へ広げる)

               https://www.facebook.com/events/324738831214212/





  11月17日 『刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ
                
              https://www.facebook.com/events/1837297546507247/





         11月24日 『呼吸力 こきゅうぢから
                
              https://www.facebook.com/events/1598507370454743/






     12月4日 『運動は嫌いだけど、体を動かすのは好き!

              
               https://www.facebook.com/events/1117978444947377/








       来年 1月27日
       

      『マイミクロスコープ 

     〜夜のアートマイム劇場〜』

         
     
               


Body,Mind&Spirit 

 本当の自分の身体は天才だ!







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