和の身体はイン（内向き）。
西洋の身体はアウト（外向き）。
“その４”になります。
前回最後に、安易に骨盤の角度を変えるようなことはしないで、とお伝えしました。
これは、ランニングなどにも言えます。
「骨盤を前傾させましょう」と安易に伝え、
結果、腰におかしな負担を生じさせてしまいます。
そもそも、そんなひと言で真に変われるものであるなら、問題に取り上げる必要もありませんね。
ところで、和の身体と西洋の身体の特徴
和の身体・・・下へ／引く／しゃがむ／箸・茶碗
西洋の身体・・・上へ／押す／椅子／ナイフ・フォーク
ここに挙げました、「箸・茶碗」「ナイフ・フォーク」のお話を。
これは単に道具が違うということではないんですね。
日本人のナイフ・フォークの扱いは、
さまにならない感じがぬぐえないと思うんですけど、
どうですか？
西洋人の箸遣いのさまにはならない感じは、道具に慣れない面が大きいと思いますので、
比較になりません。
私たち日本人はナイフ・フォークを、日常的に多くの人が使っているはずですけれど、それでも・・・
テーブルマナー的なことではなく、
肘の位置が問題なのです。
日本人は、肘を張りがち。
それを避けようとすると、逆に窮屈そうになってしまう。
これは、箸・茶碗が包み込むように持つという、その身体の使い方が現れているんですね。
しかも、包み込む形で、下からすくいあげるような感じもあります。
それに対して、西洋人にとってのナイフ・フォークは、
肘が狭いといいますか、下に落ちるような感じで、
手は上から押さえるような形なんですね。
さらに挙げますと、日本人は手の平のほうで持つようになり、西洋人は指で扱う感じ。
これは、和の身体の「引く」と西洋の身体「押す」に強い繋がりがあるのですが、
日本人は前腕の尺骨（小指側）を使い、
西洋人は橈骨（親指側）を使う
からだと考えられます。
日本人が椅子に座ってナイフ・フォークで食事をしましても、さまにならないのは、
腰がもうひとつ立たず、箸・茶碗タイプの手・腕遣いのままなので、
猫背でナイフ・フォークを握るように肘を張って扱ってしまったり、
あるいは、無理に肘を閉じてしまい、
肘・手首を折り畳んで窮屈そうなせせこましい感じになってしまうから。
いずれにしても、エネルギーの通りから離れて、形だけそれっぽくしようとする、
そんな無理がたたっているわけです。
さて、骨盤のお話に戻りましょう。
骨盤の角度を変えるようなことをしたとして、その際に、自然と、
この手・腕遣い（エネルギーの通り方）が変わるようであればいいのですが、
普通はそうはなりません。
体は全体でひとつ。
部品の集まりではありません。
分析しようとする際には、部分を取り出さないと分かりづらいので、
便宜的に骨盤とか腕とか、分けているに過ぎません。
表面的に形を変えることは簡単ですけれど、
エネルギーの通りがどうか？を見ていきますと、
その形が機能するかどうか
が分かります。
ちなみに、箸・茶碗／ナイフ・フォークの食事スタイル、エネルギーが通っていれば、
後ろからぼん！と押されても体勢が崩されないでいられます。
それでは、また、次回。
１０月３０日 『刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ』
１１月１７日 『刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ』
１１月２４日 『呼吸力 こきゅうぢから』
来年 １月２７日
『マイミクロスコープ
〜夜のアートマイム劇場〜』
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
