前回の記事『ベースの自分』のみならず、いつも出てくる
「普遍的な存在」
について、分かりやすい説明を思いつきました。
「点」「線」
について考えるといいんです。
数学的なお話になりますけれど、「点」「線」って、不思議じゃありませんか？
面積がないんですよ！？
そんなものが、実際にあるのでしょうか？
これは、面積のないものとして存在することにしないと、数学が成り立たないということで、
私たちの頭の中にしか存在しない。
つまり概念ですね。
実際には存在しないけれど、
概念としては存在する。
そういうものですね。
「普遍的な存在」というのも、ぼんやりとした単なるイメージではありません。
概念として、確かに存在するのです。
今回のタイトル「人間という名の人間はいない」も同じことです。
これは、例えば、
「魚という名の魚はいない」
としますと、分かりやすいかと思います。
犬でも猫でも何でもいいのですけど、
それらは、抽象的に魚（犬、猫）らしきものを魚（犬、猫）と言っているに過ぎませんでしょ？
ですから、どこからどこまでが魚か？という定義付けが問題になったりしますよね。
それでも、「魚」ということでの共通認識は持てます。
その魚は、鯛であって鯛でなく、鯉であって鯉でない。
「人間」も同じ。
私であって私でなく、あなたであってあなたでない。
自分の名前を持たない人はいません。
仮に名前を持たない人がいたとしましても、その人を特定する何かしらの印はあるはずです。
他の人と区別するために。
実際には、個別性のある人間しか存在しないのですが、
なぜか個別性のない「人間」が存在すると思っている。
これは、「点」「線」が実際には存在しないけれど、概念としては存在するとして、
私たちは日常当たり前に使っていることと同じことだと思うんですね。
これで、「普遍的な存在」というものが、
自分を消すことでも、無になることでもないということが、理解できてくると思うのです。
その個別性のない「人間」は、当然、ありとあらゆる個別性のある人間を全て含んでいるんですね。
例外はない。
それが、「普遍的な存在」。
と、同時に、その個別足らしめている内容を抜き去っていった、
全ての人間の共通項だけで出来上がったものが
個別性のない「人間」であり、「普遍的な存在」ともいえる。
個別の魚ではなく、「魚」というときの魚と同じです。
だからこそ、自分を消すのではなく、
「自分であれ」
であることが重要なんです。
自分の奥深いところに行くことで、
表面の自分だけの個別性というものに影響を受けていない、
奥深くの自分に辿り着くことで、
「普遍的な存在」としての「人間」になるのです。
社会生活を送っている普段の自分ではないのです。
素の自分というようなものでもありません。
「ただただ、人間」であり「ただただ、存在」です。
それは、自分の中に、聖も邪も、清も穢も、善も悪も、喜も悲も、愛も憎も、
全てを見つけることかもしれません。
自分こそが、宇宙の始まりであり、宇宙の終わりであるということかもしれません。
人間という名の人間は、実際にはいないけれど、
人間は、私の中に存在し、あなたの中に存在します。
そして、私の中に存在する人間は、あなたの中に存在し、
あなたの中に存在する人間は、私の中に存在します。
だから、普遍的な存在。
１０月３０日 『刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ』
１１月１７日 『刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ』
１１月２４日 『呼吸力 こきゅうぢから』
来年 １月２７日
『マイミクロスコープ
〜夜のアートマイム劇場〜』
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
