ウォーキング・パフォーマンスというのは、大抵はあまり馴染みがないと、思うんですけど、練り歩きしながらといいますか、それぞれのスタイルですけど、1人ででも、複数ででも、何らかの扮装(?)をしまして、移動しつつ、いい場所・いい機会を見つけては、何かしらの出来事を起こしていくんです。
ですから、突然パフォーマーが観客を置き去りにして、去って行ってしまったりするんです。
で、見ていた人の中には、思わずといいますか、次を見たいと、パフォーマーの後を追い掛けてしまう。
すると、その追い掛けている人の姿を、楽しんで見ている人もいたりするんです。場合によっては、次の場所で、驚く人たちの姿を見たくて、追い掛けて行きと、要するにこれは、パフォーマー本人だけでなく、それを取り巻く人たちと、一体になって完成される面があるんですよ。
ここで、私が大切だなと思いますのは、パフォーマーとそれを取り巻く人たちとが、同じ世界にいては、いけないということなんです。
あくまでパフォーマーは、別世界にいて、観客となる人は、その別世界を覗いてみたい、触れてみたい、といったふうにならないと、それは、ただの仮装行列になりかねない。
仮装との決定的な違いは、演じ手の演ずる動機であるとか、精神状態のあり方だとか、そういったものが重要でありまして、それらが中から溢れて、初めてパフォーマンスといえる。
でないと、見ている人には、パフォーマーが変わった格好をして、変わったことをしている、というだけのものになってしまうんです。
「何をしているか」ではなく、「どういるのか」が伝わりませんと、場所から場所への移動が、単なる移動になってしまい、パフォーマンスにならないんです。
ウォーキング・パフォーマンスで重要なのは、むしろ何もしていないとき。
一見、何もしていないのに、何か想像を超えたことが起きていると、思わせられるだけの存在感。明らかに別世界が、そこに生じている、別の時間が流れている、近寄りたいけど、近寄ったら危ない、と感じさせるもの。
う~んん。。。もちろん、いろいろな考え方がありますから、こんなのばかりでは、ありませんよ。
ただ、このへんのことを頭の片隅に置いて、パフォーマンスを見ると、またいつもとは、ちょっと違った楽しみ方が、出来ると思うんです。
夏休みは汐留へ!!