オーガニック・アートマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

見た目の動きへの意識が強過ぎるかも?

「ドルフィンキック」って、ご存知ですか?

あるいは「バサロ」でも。

 

水泳でクロールでしたら「バタ足」ですが、

バタフライですと両足を揃えて「ドルフィンキック」をしますね。

 

「バサロ」は仰向けの「ドルフィンキック」で、

背泳ぎのスタートやターンの時に使うものです。

 

 

ある日のクラスで、このドルフィンキックを練習してもらったんです。

 

もちろん、水中ではありませんし、垂直に立った状態でなので、

天井に向かって、鯉の滝登りのような感じでのドルフィンキック。

 

 

私のクラスでは、しばしばこのようなスポーツなどの具体的な動きを

取り上げるんですね。

 

投げる、打つ、蹴るなど。

 

で、そうしますと、それらの動作を多少なりとも知っていませんと、

目指すべき動きがイメージしづらくなってしまうんですよね。

 

特に、この日取り上げたドルフィンキックは、

「投げる、打つ、蹴る」に比べて、

目にすることが非常に少ない動きですから、

なおさらですね。

 

一方で、多少なりともイメージがありますと、

様々なスポーツ動作(今回はドルフィンキック)の

より良い動きが分かるようになり、

そのスポーツ動作でなくても、

エネルギーを全身に通すということが

分かってくるようになるんです。

 

つまり、私のクラスでは、

特定のスポーツ動作の質を上げましょうではなく、

スポーツ動作の質を上げることで、

何でもない動きの質を上げましょうということなんです。

 

そうすることで、別の初めて経験する種類の動きでも、

対応力が高くなり、習得が早まりますし、

あらゆることが小手先ではなくなるんですね。

 

 

お話戻りまして、ドルフィンキック。

 

これは、経験があるか?

それとも別競技の動きから、必要なエネルギーがイメージ出来るか?

が重要でして、

そうしませんと、何だか腰を前後にクネクネ動かすようになってしまいます。

 

けれど、ドルフィンキックは、

どれだけ力強く腰を前後にクネクネ動かしましても、

全く無意味なんですね。

 

水中でやってみれば、一目瞭然です。

全く進みません。

 

あるいは、ドルフィンキックは全身が波打つように動きますから、

柔らかいと良いように思うかもしれませんが、

全身をクネクネ柔らかく動かしたところで、

やはり全く役に立ちません。

 

 

いずれにしましても、見た目の印象だけで動いたのでは、

全く意味のない役に立たない動きになってしまうのです。

 

と同時に、そういった動きになりやすいわけです。

 

 

そこで、クラスで取り上げた際には、

クネクネ動きましょうとは一切させずに、

さらに下半身は動かさず、

上半身、それも胸でもなく腕だけを動かしてもらうことで、

結果、ドルフィンキックになるようにしてもらったんですね。

 

腕だけを動かすといいましても、

そこには重要な要素がありまして、

手先にエネルギーを通すようにということで、

正確に言いますと、「腕だけを動かすかのように」ではあります。

 

このことで、見た目には前後に波打つように動くことになるのですけど、

本人の感覚としては、前後というよりも、

足元から手先までの長い垂直線上での動きになるんです。

 

柔らかい動きというよりも、むしろ硬い動き。

しなやかな鋼(ハガネ)のような動きですね。

 

 

さて、ドルフィンキックをある程度知っていますと、

この手の練習をしたときに、

すぐに、「あ!このエネルギーを強めれば良いんだ!」

と分かりますから、

すぐに質の高い練習となります。

 

けれど、全くイメージが無い場合、

様々な説明を参考に、長い時間をかけて、

ようやくこのエネルギーのあり方が見えてくるようになり、

ドルフィンキックってこういう感じなのかなぁ?

と分かってくる感じになります。

 

ですから、前者の人と後者の人とでは、

クラスで同じ時間、取り組んでいましても、

全くその意味合いが異なりますよね。

 

 

今回はドルフィンキックを知っているかどうか?

ではありましたけれど、

動きの質がなかなか上がらない人は、

必要なエネルギーのあり方を掴むことに、

意識が向いていない可能性が高いかもしれません。

 

見た目の動きへの意識が強い。

 

必要なエネルギーのあり方とは、

意味のある動きからしか、掴めません。

 

ドルフィンキックがクネクネ動くものではないというように。

 

あらゆるスポーツ動作に言えます。

きれいなピッチングフォームで動けても、

きちんとボールを投げられなければ、

その動作は空っぽということ。

 

ですから、それなりにスポーツの動作を知っているかどうかは、

大きな力になると思うのです。

 

それにですね、

「あぁ、あれはこうやって動くと良いんだ!」

ってなりますから、

すごく楽しいんですよ。

 

けれど、ドルフィンキックを全く知らない場合、

この動きが良くなりましても、

「これが、何???」

となる可能性が高い。

 

楽しさや驚きといったものがありませんと、

身体にも頭にも残りません。

 

意味の無い練習になってしまいます。

 

動きの質を高めたい人は、

それなりにスポーツ動作を知るようにしてみては

いかがでしょう?

 

 

 

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