質と量・・・質は大事ですけど、量をこなさなくては使い物にならないんです。
丁寧に行なって、だから高い質で動ける。としましても、
それは、趣味でしかありません。
ごくたまに、手の込んだ料理を作り、素敵なセッティングで用意し、
けれど、材料費、かかる時間、片付け・・・といったものに無頓着であるなら、
それは趣味。
そんな感じです。
もちろん、趣味だという自覚の下でしたら、何の問題もないのですが、
身体の使い方、動きの質を上げることで、
何らかのパフォーマンスを上げようとしているならば、
大問題!ということです。
と、のっけから厳しい言い方になりました。
ここの記事を読んで下さる方は、質を大事にしている人が多いと思うんですね。
とにかく量だ!という人は、ほとんどいないのでは無いかと。
で、そうしますと、丁寧に行なうことばかりになってしまい、
量が不足し、結果、実践的な場面では普段通り。
そうなりやすいと思うんです。
ただ、量といいましても、やみくもにたくさんやれば良いということではなく、
出来るだけシンプルに、それなりのスピードで繰り返すことが大切なんです。
「シンプルに」といいますのは、
迷いを封じ込める。
1回目と2回目のつなぎを美しく。
です。
「迷いを封じ込める」・・・これは、質を気にしすぎるあまり、つい、
こうかな?ああかな?と、修正しまうところを、
とにかくスピードを緩めずに続ける。
そして、続けながら修正していく。
言い方を変えますと、修正する際に、修正に必要な時間を作らない。
ある一定のスピードで続ける、そのスピードの中で、修正出来るようにしていくんです。
頭の回転を早くするということでもあります。
この頭の早さを身につけませんと、実践の場で、使えません。
次に、「1回目と2回目のつなぎを美しく」ですが、
これは、同じ動作をひたすら繰り返す際に、そのつなぎ部分をおざなりにしないということです。
1回目と2回目をどうスムーズにつなぐか?
無駄なく、緩みなく、力みなく。
1回ごとの動作の質と、変わらぬ質の高さで2回目へと移行する。
こうしていくことで、頭も身体も休ませない。
呼吸の流れを切らない。
そうするとどうなるか?
何でもない場面でも、動きの質を保つことが容易になるんです。
つまり、何か特定の動きの質が高まったとしましても、どうしても、
どうということもない動きは相変わらずで、
本質的なことろで、動きの質が変わらないとなりがちなんです。
「神は細部に宿る」を、こういったことで実践していくわけです。
最後に、ひとつ付け足しますと、
1回ごとの動作で、その始まりと終わりを明確に認識し、つなぎ部分はつなぎ部分として認識する。
ただし、動きを止めるわけではなく、流れの中で、です。
ひとつずつの質を上げることは大事ですが、このような形で量をこなし、身体に染み込ませ、
同時に、流れの中で動けるように、考えられるように、ということは、
極めて重要です。
趣味以上にしたい方は、ぜひ。