私はずっと「エネルギー」という言葉を使ってきていますけれど、
抽象的ですよね。
第一弾著書『筋力を超えた張力で動く』では
川の流れとその水量に喩えました。
最新版である『再創造する天性の動き』では「重さ」を使ってお話しました。
「気」と似ている感じもするんですけど、
気の専門家の方々の意味する「気」は、私には分かりませんので、
「気」とは言わないでいる。
といったお話をしたこともあります。
この抽象的な「エネルギー」という言葉を、
少しでも具体的に実感出来ますと、
身体の使い方はもちろん、表現など心の使い方との向き合い方が、分かりやすくなると思うんです。
レッスンに参加している人でも、
実感の程度に差があります。
当たり前ですね。
あるいは、その場での特定の動きでは実感出来ても、
自分ひとりでとなるとあれ?となったり、
それ以外の動きでは難しかったりするものです。
ただ、実感出来ていない人でも、
エネルギーを扱えている動きや表現と、
扱えていないものとの違いは、
見て感じ取れるんです。
具体的に何が違うかは、もちろん分かりはしないのですが、
雰囲気の違いは分かるんですね。
これは、動きとしましては、ほんのわずかな違いです。
それでも、レッスンに参加していない、初めて目にする人でも、分かります。
舞台公演の際のレクチャーで、両手を前に広げる動作を例に、
お伝えしたことがありまして、
私自身に目が行くか?それとも客席の自分の方に意識が行くか?
という違いを、明確に感じ取ってもらえました。
形・姿勢や動きの違いは、ほぼ分からないにもかかわらず、です。
それでも明確に違いを感じられるわけですから、
舞台でのちょっとした動作の質が、
表現の内容を大きく変えてしまうということでもありますよね。
ということなんですが、
この手の動きは形ではないので、外からは修正のしようがないんです。
で、重要なのが「エネルギー」であり「重さ」なんです。
エネルギーがどこに向かって流れているか?が重要なんですね。
力みというのは、エネルギーがそこに留まってしまっている状態を言います。
あるいは、そこに重みが集まってしまっているという言い方が出来るんです。
人は、重みのあるところに目が向くんですよね。
ここポイントです!
もう一度、言いますね。
人は、重みのあるところに目が向くんです。
お話が長くなりそうなので、すませんが続きは次回に。
アートマイム公演 2月8日(火) 公演写真 次回は8月22日(月)