オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

物の重さを変える!?

物の重さって、一定だと思います?
200グラムのコップ。1キロの鞄。自分の体重でもいんですけど。

これは、あくまで地球上での重さですよね?月に行けば、6分の1。

これは引力が違うからですけど、つまり重力加速度の違いで、重さは変わるということですよね。

では、この地球上で重さは変わるのか?といいますと、答は

YES!

何も、決して、場の重力にわずかながらでも差があるとか、そういうことではありませんよ。

今、その場で、自分の体重も、鞄もコップも、その重さを変えられるということです。

魔法でないことは、もちろんですけど、錯覚みたいなものを利用するわけでもありません。誰でも、間違いなく変えられますし、実は、変えようなんて意識がないまま、みんな日常的に既に変えているんです。

重さは「力」なんですね。質量とは違います。

重さ=力=質量×加速度

いわゆる重さといいますのは、質量に引力という重力加速度を掛けているわけですから、

重さを変えるには、そう!
加速度を変えればいいんです。(質量は変えられませんものね)

まぁ、単純な話、コップでも鞄でも、凄い早さで持ち上げますと、その時、重くなるということなんですね。

馬鹿にしないで!って、感じでしょうか?すみません。。。

けれど、意外にこのことは、頭では意識していませんでしょ?
身体は知っていますけど・・・

で、マイムの話になりますと、何かを持ち上げたり、押したりといった動きに、どうも違和感を覚えるなぁということありませんか?

それは、この、重さが変化するということを無視して、重さは一定だ、という動きをしているからなんですね。
機械のような、人形のような非人間的な感じがするわけです。

人間的な動きにするには、自然な感じを出すには、誰もが身体では知っている、重さは変化するんだということを、演ずる人自身の肉体が再現する必要があるということになるんですね。

JIDAIマイムでは、物の重さを作り出すという行為は、イコール自分の力を強くするということでありまして、それは筋力ではなく、体重という質量に重力加速度を掛けてあげる行為、ということになるんです。

筋力で力を出すのではなく、重力を使って力を出すわけですけど、もしマイムとしてではなく、実際に重い物を持ち上げる際には、筋力で持ち上げるよりも、パワーが出ますから、相対的に、物の重さは

軽くなるんです。

分かったような、分からないような・・・かもしれませんけれど、言い換えますと、同じ重さのものでも、肉体への負担が小さくなる、ということです。

物の重さは、決して一定ではなく、誰でも「私」との関係で変化するんです。

筋力ではなく、重力と仲良くして、肉体に楽をさせてあげましょう!