前回、お話をしました「物の重さを変える」ということですけれど、これは、
「初動負荷」(イチローのトレーニングで有名ですね)と「終動負荷」
というトレーニング方法とつながりがあるんです。
「初動負荷」といいますのは、たとえば、ある物を持ち上げる際、一番最初に大きな負荷がかかり、その後は惰性で動く、というようなこと。
やっ! ふっ。 って感じでしょうか。
「終動負荷」といいますのは、最初から最後まで力をいれて動かすことで、ジムで重いバーベルを持ち上げるように、
う~~~~~んんん って感じですね。
一般的に、力をいれるという行為は、後者の「終動負荷」の意識ですから、マイムをする際にも、どうしても、その意識で動いてしまうんですね。
ところが、この「終動負荷」の意識では、パワーの源が筋肉の収縮、しかもその気になるには「共縮」という、本来弛んでくれないといけない筋肉まで、縮めてしまうやり方になってしまいます。
この意識・動き方ですと、物の重さと体の動きに、つながりはありませんから、より重いものを表そうとしますと、力むこと(力んだ感じ)が重要になってしまうんです。
逆に「初動負荷」のように、体幹からの力をリラックスした腕や足に伝えるというやり方で、たとえば、物を持ち上げるというマイムをしますと、
その物の重さは、持ち上げる瞬間が最も重くなり、その後、軽くなり、最後に元の重さに戻ることになります。
で、最も気を使うポイント(物の重さを表す上で)は、持ち上がる瞬間の、その前。
力がぐっと掛かりつつある時間。
まさに「初動」の「負荷」、というわけです。
トレーニングとしての「終動負荷」は筋肉の肥大化を目指し、「初動負荷」は動き(力の伝達)の最適化を目指しているわけですけれど、JIDAIマイムではその初動負荷理論による動き(力の伝達)を、目に見える形で表そうとしているんです。
これは、単にマイムをしている時だけうまくやろうとしましても、到底無理でありまして、日常から変えていきませんとね。
楽しく、毎日修行しましょっ!