オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

肉体と身体

肉体身体

自分の体をどちらで捉えていますでしょうか?

肉体といいますのは、私の感覚では、筋肉とか骨とか、目に見える物質的なもの。
身体といいますのは、心も含めた、肉体を操縦する神経系とでもいいましょうか?目には見えないものを含んでいる感じです。

一般的には、体を鍛えるといった場合、肉体を鍛えてるのでしょうし、健康のため、といった場合にしましても、やはり肉体を対象にしていますね。

鍛えるにしましても健康にしましても、肉体を対象にしている場合、体を部分で考えていますでしょ?

仮に、体全体のことを考えて、といった場合でも、それは体を統一体として見ているのではなく、あくまで部分の集合体であり、そのあっちやこっちの部分のバランスをよくしようとすることが、体全体を考えることだと思っている。

これに対しまして、身体といいますのは、基本的に部分というのはありません。最初から最後まで全体、つまり統一体です。

肉体でしたら、同じ練習をすれば同じ効果が上がりますけど、身体ではそうはいきませんね。

同じ練習をしましても、身体が鍛えられる人と、単に肉体しか鍛えられない人と出てきてしまいます。

ダンサーは肉体で成立し得ると思います。もちろん素晴らしいダンサーは身体があります。
舞踏は肉体では成立し得ません。身体があってこそです。
スポーツは肉体。武道が目指すのは身体。(大雑把な話ですけどね)

肉体が身体になるには、精神が宿るかどうかだと思うんです。

運動ならいざしらず、身体表現として体を鍛えるのでありましたら、自らの体を肉体としてではなく、身体と捉えることが、重要な気がします。

肉体として捉えていますと、どんなに練習を積みましても、身体にはなりません。肉体表現は出来ましても、身体表現は出来ません。

と、偉そうなことを書いていますけど、私自身の問題でもあります。
肉体訓練は必要ですけど、注意しませんとそれで終わってしまいます。

あくまで、鍛えるのは身体。身体を作りませんとね。