イメージトレーニングという言葉を聞くようになって久しいですけれど、
スポーツの世界に限らず、「想いは実現する」といった類いのスピリチュアルや成功法則のようなものでも、
このイメージ力を大切にしているようですね。
パントマイムのように身体ひとつで、全てを表そうとするものも、イメージ力が大切そうですよね。
けれど、JIDAIマイムクラスではあまりイメージ力を重視していないんです。
ですから、クラス生に「イメージが足りない!」「もっとイメージを膨らませて!」といったことは、まず言わないですね。
なぜ?
う~ん、、、私自身、もしそう言われてしまいますと、ますます分からなくなってしまうから、ということはありますね。
ある程度イメージをしたその先は、いくらもっとイメージを!と言われても、おいそれと出来るものではありませんでしょ?
映像でも見せられれば、多少は変わるかもしれませんけれど、それはイメージが広がったのか、単にその映像の真似をしようとすることになるのか、分かりませんしね。
それと、一番の問題はイメージを意識し過ぎますと、頭ばかりが働いて、身体が働いてくれないんですよね。
私はこれを妄想と呼びます。身体を置き去りにしたイメージは、妄想。
あるいは、イメージのつもりが思考になっている。
で、このイメージ力に代わってJIDAIマイムクラスで大切にしていますのは、
実感力!!!
実感力・・・イメージ(!)湧きますでしょうか?
実感といいますのは、実際に感じるというよりも、身体という実(み)が感じるということ。
実が感じる力が実感力ですね。
そして、力とあるわけですから、やはり程度というものがありまして、手先だけで感じているよりも、
頭の先から足の先まで全身で感じているほうが、実感力が強い、あるいは大きいとなるんです。
ところで、実感力はイメージ力を鍛えることで身に付くものだと思われますか?
私は実感とイメージといいますのは、まったく質の異なるものだと思うんです。
決して延長線上には無いと。
むしろ、まったく逆の道を辿るものではないかなぁと思うんです。
イメージは頭を出発点とします。けれど、
実感は身体を出発点としているんです。
例えば、手に飲み物を持っている状態を考えると、分かりやすいと思うんですよ。
飲み物を手にしたまま、テレビを見たりお話したりって、ごく当たり前にできますでしょ?
それは、手が飲み物を持っていると実感しているからですよね。
間違っても、テレビを見ている間、お話をしている間、ず~~っと
「持っている、持っている、持っている、持っている、持っている、あぁ、まだまだ持っているぅぅ・・・」
なんて考えたりはしませんものね。
ところが、この間違ってもしないことを、イメージという名でやってしまうんです。
ただし、実際に飲み物を持っているのでは、実感力にはなりませんよ~。
持たずに、実感出来るかどうか?ですよ。
そんなバカな!?
ですよね。
そんなこと出来たら、美味しいものを実際には食べていないのに、美味しいって感じられるってこと?って、なりますものね。
でも、そうなんですよ。そういう力のこと。
そういった力、実感力を大事にしているんです。
(当然、思い込みやフリとは違いますよ~)
JIDAIマイムクラスでの身体の使い方・動き方の指導は、ほぼこの実感力をつけるためと言っても過言ではないのです。
で、いつの間にかあらゆるスポーツの基礎(初歩という意味での基礎ではなく、最後まで中心となるような基礎ですよ)が身に付いてしまったり、うわべの演技ではない表現力が身に付いていくんです。
なんだか難しそうですか?けれど、
イメージは雲をつかむような感じ。
実感は確かな手応え。
イメージは正解を誰に求めたらいいのか、分からない。
実感の正解はあなた自身が知っている。
楽しいですよ~~~っ!!!