オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

力を入れる時、あなたの場合はどういう体勢になりますでしょうか?

と、いきなり力を入れる時って言われても困りますよね。

そうですねぇ、やはりマイムですから壁を押す、、、いえ、まぁ、何か大きくて重たいものでいいんですけれど、それがあまりに重くて動かないとしまして、それでも力を加える。
そんな時にどんな体勢になるか?ということなんですけれど、どうかしら?

「えっ!??? 人によって違いがあるの・・・?」

って、思われます?

実はこれはかなり大きな個人差があるようなんですよね。
ふつうそんな違いについて考えたり、観察したりすることはありませんから、他の誰もが自分と同じようにするもんだと思いますよね。

では、どんな体勢になるのか?


○ ある人は、物(押す対象)に対して正面を向いたまま。

○ ある人は、物(押す対象)に対して体をねじっていく。


あなたはどちらでしょうね?


まぁ、もちろん、「正面派」の人も多少ねじったりということあるとは思いますけれど、
「ねじり派」の人がまずもって、どちらか一方のみのねじりであるのに対しまして、
「正面派」は右にしてみたり左にしてみたりとすることが多いと思うんですよ。


で、身体表現として身体を使う場合ですけれど、
この身体の使い方の傾向が単に本当の力を出すための動きではない時にも、でてきてしまうんですよ。

それは感情表現などでの、より強い気持ちを込めようとする時。

では、どんな感じか?といいますと・・・


たとえば、
「行かないで~っ!」とか「待って~っ!」
といった感じの動きを強い気持ちでやるとしましょう。

そうしますと、
「正面派」は気を付けませんと腰に力が入りやすくなりがち。
腹筋群とのバランスがとれていればいいんですけど、お尻がきゅっと持ち上がり、胸がぐっとせり出して鳩胸っぽくなってしまいまうんです。
横から見た時に、Sの字になる感じですね。

そうそう、下を向いてしまう人もいますね。
胸といいますか背中を丸めるタイプ。

一方の「ねじり派」は、どんどん身体をねじっていってしまう。
さらにこの「ねじり派」は内側への力が働くようでして、肘や膝が内股になっていきまして・・・

そうそう、正面とねじりの両方を持っている人もいますね。
そういう人は、ねじりながら胸とお尻が突き出ていく。ですから、ねじりの効いたSの字といった感じですね。

「下向き派」はまず、ねじりません。(丸まりながらねじっても、力は出ませんものね。)


これは男性か女性か?というのはあまり関係ないようですけれど、ちなみに私は「正面派」。
どうしても腰に力がはいりやすいんですよね。
ですから、腰が反りがちでして、かなり強く意識してそうならないように気を付けているんです。
(私の場合は相当に強い癖なんですぅ。。。)

こういった身体の傾向は簡単には消えませんで、注意をしていましても、ふと別のところに意識が向いてしまいますと、出てしまうんですよね。
あるいは、身体が疲れていたりしても出ますね。
何しろ、その使い方が本人にとっては一番楽なんですからね。

で、問題なのはその身体を本人はごく自然だと思ってしまっていること。
はたから見ますと、それは消して自然ではないにもかかわらず・・・

気持ちを表す際の、腰の反らしやねじりといったものは、本来しなくてもいい動きなわけですから、つまりは余計な動き。
観客にはその動き・姿勢が目につくようになってしまい、シリアスな局面ではおかしげなものに映ってしまう可能性があると思うんです。
(コメディー系でしたら、逆にとってもいいかもしれませんね。)


こういった本人には気が付きづらい癖・傾向のことは、またお話しようと思ってます。