オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

つまずき防止とパントマイム

例えば、年配の方がつまずき防止にと、脚の筋肉を鍛えることがあると思うんですけれど、
筋力がつくことと、つまずき防止とはどの程度、直接関係あるんでしょうね?


もし筋力の問題であるのでしたら、
そういった方は階段を上れるはずもないでしょうし、
しょっちゅう転んでしまいかねないのでは?


大抵、つまずくといいますのは、何でもないような高さのものです。
(あるいは何も無いところ)
高いものにはつまずかない。
これは年齢に関係無く、だれでも同じ。



ということは、意識できているかどうか?が鍵ですよね。
筋力がなくて脚が上がらない、ということではないとは思いません?



一般的に、何でも加齢イコール筋力の衰え、という問題にしてしまいますけれど、
それよりも、私は神経回路の問題だと思うんです。


特に、半身への意識と下半身への意識を分けて使える神経回路の衰えが問題なのだと。


話しながら歩いていて、だんだん歩きが遅くなるのは、いい例です。
自分の下半身の動きへの意識が薄くなっているんですね。
もちろん、周囲への意識も薄くなりますね。


高齢になると、どんどん視野が狭くなります。
それは実際の視野だけでなく、神経が同時に複数働かせられなくなるということ。


モノを取ろうとして近づく時に、つまずいてしまうのも、いい例ですね。


上半身に神経がいっている時に、下半身への神経が途切れてしまうわけです。
若いうちは、筋力があるからというよりも、その複数の神経がまだ自然に働いてくれているのでしょう。


とは言いましても、神経回路のためにと、右手と左手で違う動きをする体操(訓練)がありますが、
それはあくまで手の神経回路であって、手の神経回路が鍛えられたからといって、
下半身への神経回路が開かれるわけではありませんね。


からだ全体のことを考えますと、
下半身の動きと上半身の動きを別々に扱える神経回路を鍛える体操・トレーニン
を取り入れると良いと思うんですよ。




からだ全体をダイナミックに捉えた、動きの神経回路への着目・・・
パントマイムはこれにつきるといっても過言ではありません。


何しろマイムは、脚を高く上げる、高くジャンプする、背中をあり得ないくらいに反らせる、凄い筋力を発揮する、
といったような身体能力を見せるものではありませんものね。


例えば、普通では考えられないところを支点にして動くといったような、
神経回路に目を向けているわけですから。



オーガニックマイムをあらゆる人のために、ということで、
「オーガニック!!ムーブメント」として、整形外科病院での活動も始まりました。


もちろん、パントマイムを演じたり指導したりするわけではありませんよ。


神経回路に着目した動きの改善がメインです。
呼吸や感情も扱っていきたいと思っています。



心と身体に平和を。