オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

お腹の力の入れ方(軸を作る 姿勢を良くする 腰痛解消)

踊りで、振り付け以上のものを体現したいという気持ちを持つのは、素晴らしいですよね。

けれど、がんばり感のわりにもうひとつ上手くいかないなぁ、と思うところがあるとしますと、
それは振りの土台となる身体の使い方に問題があるかもしれません。

逆に言いますと、身体の使い方を良くしますと、
今までなかなか上手くいかなかったものが、すっと出来るようになってしまったりするんですね。


ここ半年くらいフラメンコの方の個人レッスンをさせていただいているのですけど、
フラメンコでは足を踏み鳴らしたり、ターンをしたり、かなり激しく身体を使うようですね。
その上、手先の動きや何やら、振り付けを覚えて一通り動くだけでも、相当に大変なようです。

今日のレッスンでは、軸を作ることと、足の踏み鳴らし、ターンと、
ちょっと盛りだくさんに行ないました。

もちろん、こういったものは、本当のフラメンコの先生から教わっているんですよ。
軸を作るのに、お腹に力を入れる必要があることや、
足の踏み鳴らしは、力ではなく足を落とすのだということなどなど。

でも、こういうことって、何度言われても出来るようにならないんですよね。
私もマイム、日本舞踊などで同じ経験をしていますから、よ~く分ります。


大抵、教えて下さる先生は、そういったものを自然に出来てしまっているものですから、
自分が行なっている時の感覚を伝えるにとどまってしまうんですね。

例えば、お腹に力を入れるといいましても、どんな入れ方をするのか?
そういう細かなことは、お話してくれませんし、言葉で伝えきれるものではないんですね。
(あんまり細かく言われても、ますます分らなくなるばかり。。。)

足の踏み鳴らしも、軸の作り方といいますか、立ち方が出来てきていませんと、
足を落とすという感覚では踏み鳴らせないんですね。

けれど、先生は例えば、
「お腹に力入れて足を落とすだけ」以上のことは、なかなか思いつかないんです。
なにせ、先生はそれしか意識していないわけですから。
逆に言えば、その意識だけで出来てしまう。

こういうわけですから、出来ない人はずっとよく分らないままになってしまい、
本当にセンスの良い人や、何かで偶然コツを掴んでしまえた人だけが、
その壁を乗り越えられるんですね。


私は自分が生徒の立場にいる時、そういうセンスはありませんし、
偶然それっぽく出来たとしましても、それでしっかり身につくというタイプでもなく、
何だかとっても残念な感じで・・・ふぅ~。。。

まぁ、だからこそ試行錯誤して掴んできているわけで、
同じような悩みを抱えている方たちの力になりたいなと思うんですね。

もう少し、はっきりと言うならば、

「どうしてこういうことを教えててくれないんだろう?」
「いつも同じ言い方されて、出来るくらいなら苦労しないよ~。」

と、私が生徒の立場で思っていることを、少しでも解消していって欲しいなと思っているんです。


で、前置きが長くなりましたけれど、
軸を作るのにお腹に力を入れるといいますのは、
(これは姿勢が悪い人や、腰痛持ちの人が腹筋をつけなさいといわれるのと同じだと思って下さいね。)

これはいわゆる腹筋運動を行なっても、全く意味はありません。
意味がないどころか、悪影響さえあると私は思うんですよ。

軸を作る、姿勢を良くするのに、確かにお腹に力は入りますけれど、
腹筋運動とでは入れ方が全く違うんです。
これは体感していただくしかないんですけど、
今日のレッスンで行ないましたことを紹介させていただきますね。


壁に寄りかかるようにします。
膝を曲げながら、前方に落とします。
体は(結果として)真っすぐです。


詳細は実際にレッスンを受けていただくしかありませんけど、
これで、否応無しにお腹に力が入ります。

その感覚のまま壁から離れて立ちますと、
自然にしっかりとした軸が出来、真っすぐに立てるんですね。
その上、股関節から下がフリーになりますから(体幹が宙に浮いている感じ)、
脚の力が抜けるんです。

そのまま、足を踏み鳴らす動作をしますと、落とすだけで良い音が鳴ります。

「ああ、先生はこのことを言っていたのか!!」

となるわけです。


で、ここが面白いんですけど、
では、その出来たことを、どうやっているのか他人に説明しようとしますと、
きっと「(真っすぐに立って)お腹に力入れて足を落とすだけ」となってしまうはずなんです。
先生と一緒。

要するに、出来てる時の感覚を言葉で伝えても、伝わらないのに、
それ以上のことは言いようがないんですね。
ですから、教える側としましては、
どうしたらいいのかを説明したり、やってみせたりするのではなく、
別の方法で出来ている時の感覚を味わわせてあげることが大切だと思うんですね。

私もまだまだ研究していかなくてはいけませんけど、
今回の壁に寄りかかる方法というのは、その具体的な1つの例になるとは思います。


ちなみに、フラメンコの方は今日のレッスンで、
嬉しそうに目をキラキラと輝かせて、軸の出来た体で軽やかに、
けれど、しっかりと足を踏み鳴らしていました。

「これなら、全然疲れなさそうですね。」
「上半身も自然にリラックスできてます!」
「気持ちいいですね。」
「いい音がしそうです!」(フラメンコ仕様の靴ではなく、裸足での練習でした。)

私としても、とっても嬉しいです!!


さて、個人レッスンは値段も敷居も高いなぁと思われるかもしれませんが、
何年もの間、土台のところで大きな壁を作ってしまっていたものを、
ぽん!と飛び越える可能性があるんですね。
有効に使っていただけたらと思います。


(最後は宣伝か~~~!)





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