体はただの物体ですけど、そこに心が入ったものが、身体ですね。
私たちは普通、日常生活での動作については、ほぼ無意識に行なっていますでしょ?
顔を洗うのに、いちいち、手をどの方向にどれくらいの速さで差し出して、体をどれくらい曲げて云々なんて考えませんものね。
歩く時も、右足を出す時、左手を出しながら、右手は引いて・・・なんて考えていたら、歩けませんよね。
けれど、これらの何も考えずに出来る動作も、長いことかけて学習してきた結果でありまして、決して当たり前のことではありませんね。
小さな子供は、まともに顔を洗えません。
歩く姿は、出来の悪いロボットみたいですもの。
さて、この学習が間違っていましたら、どうでしょう?
まあ、正しい、間違いというのも変ですけど、体にかかる負担が大きいものを間違いと考えましょう。
で、体にかかる負担が大きいというのは、どういうことかと申しますと、小さな筋肉をたくさん使い、大きな筋肉はあまり使っていない状態や、深層よりも表層の筋肉を使いすぎている状態。
難しく考えることはないんですけどね・・・いずれにしましても、私は正しい体の使い方で顔を洗っています!歩いています!という人は少ないと思うんです。
私自身はもちろんのこと、ほとんどの人が間違った学習の末、毎日、体に無理を強いているはずです。
ですが、最初に申し上げましたように、これらは無意識に行なえてしまいますから、体に特別無理強いをしているとは考えないですよね。
歩きづらい靴を履いているとか、長い時間歩いたとか、そういった場合は、もちろん感じますでしょうけど、家の中でのちょっとした移動くらいでは、普通は何も感じないはず。
いちいち感じていますと、日常生活に支障が出てしまいますものね。
ところが、やはり実際には、間違った動作によって、体に大きな負担をかけていまして、その体は生きている私たちにとりましては、心をもった身体であるわけですから、当然、心にも負担がきているはずなんです。
知らず知らずのうちにストレスが溜まっていってるんです。
たとえ目に見えるような、分かりやすいストレスの無い生活を送っていたとしましても、体を通してストレスは溜まっている。
気付きませんよね。
ほんとに小さなストレスですからね。
無意識レベルのストレスですものね。
けれど、だからこそ恐いと思うんです。
自分の性格が、こういうストレスが元になっているとは思いませんか?
普段の生活の中で、肩が凝ったり、体が重かったりしますと、ちょっとしたことで頭にきたり、なんだか積極的な気持ちを持てなかったりって、しますでしょ?
同じような感じで、カッとしやすい性格とか、ネガティブな性格とかって、もしかしたら、この間違った体の使い方から来るストレスのせいかもしれないとは、思いませんか?
無くてもいいはずのストレス。
軽減のしようのないストレス・・・
ん!?軽減できない?
そんなことはありませんね。
自分の体を意識的に使い、間違った学習を修正していけばいいんですから。
どう修正するかは置いておきまして、日常の無意識の動作を、まずは出来るだけ意識的に行なってみませんか?
きっと変化があると思いますよ。