オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

始め悪ければ、全て悪し。

頑張りすぎるタイプの人にありがちで、注意が必要だなと思いますことのひとつに、客観視ということがあります。


頑張りすぎる人は気を付けませんと、自分の身体に大きな負担をかけることを良しとしてしまいます。


この負担が正しい動きに基づくものでしたら、いいのですけれど、得てして悪い動きであることが多いんです。
悪い動きであるがゆえに、余計な筋力を使い「やってる!」気になってしまうんですね。


それは力の入りやすい筋肉ばかりが一生懸命働いてしまい、神経のいかない筋肉はあいかわらず休んだままという状態になりますから、身体全体のバランスはどんどん悪くなっていってしまいます。


このタイプの人は筋肉が発達していて、一見非常にいい身体をしているような印象を与えますし、本人もその筋肉の発達をイコール上達と思ってしまいがちです。


確かに、筋力によるパワーで押し通せることも多いですから、それがあながち悪いというわけでもないんでしょうけれど、怪我をしやすい。


身体にかかる負担が局所的になっていますから、どうしたって無理がきてしまうんですね。



とは言いましても、本人がそのことに気が付く事は難しい。
自分の感覚に頼っていますと、神経のいっていないところ、つまり筋肉が動いていないところは、文字通り神経がいっていないわけすから、動いていないことに気が付けないんです。


主観ばかりの練習は危険ということです。
どれだけ自分の動きを客観視出来るかという事は、とても大事なんです。


鏡を見ながらの練習といいますのは、ひとつの解決策でしょうね。


けれど、一番いいのでは?と思いますのは、次の二つのやり方です。



・スピードをゆっくりと動くこと(正しい道筋を通ること)


・すごく軽い負荷で動くこと。


これにプラス、始動時の動きに細心の注意を払うこと。



プラスと言いましたけれど、実は始動時の動きに対する注意が最も大事なんです。
始動時の筋肉の働き方が悪かった場合、動き出してしまってからでは、もう修正はできません。


『始め悪ければ、全て悪し』です。


『結果良ければ、全て良し』ではいけないのです。


始動時の動きに対して細心の注意を払うために、ゆっくりと動いたり、負荷を軽くするんです。
筋力を鍛えるのではなく、感覚を鍛えるのですね



頑張り過ぎタイプの人には、まどろっこしい練習だとは思いますけれど、感覚に目を向けてみてはいかがでしょうか?