ウォーキング指導なんかで、
しっかりと腕を振りましょう!
というのがありますけれど、微妙な問題だと思います。
正直なところ、歩くくらいでしたら腕は振らないほうがいい。
一般的には、肘を90度に曲げてしっかり前後に振りましょうっていわれますよね。
けれど、多くの人が感じると思うんです。
(ウォーキングをやられている方が読んでいましたら、ごめんなさいね。)
なぜ、あんなに頑張った姿で歩くのか?
歩幅を大きくするためというのもあるかもしれませんけど、これもほんとはおかしな話なんです。
走ることを考えてみますと、よく分ります。
走るときの腕、振れはしますけれど、わざと大きく振ったからといって、速く走れるわけではありませんでしょ?
腕が脚の動きを導き出すわけではなく、あくまで脚の動きや力が腕の動きになっているんです。
で、ここからが問題なんですけれど、だからといって腕を振らないでウォーキングをしますと、ほぼ間違いなく皆さん肩が大きく揺れてしまうはずなんです。
どうしてか?
それは、肩甲骨が固まってしまっているからなんです。
肩甲骨が肋骨とくっついてしまっていて、今まで振っていた腕の動きを抑えますと、肩甲骨につられて肋骨まで一緒に動いてしまうんです。
ひところ話題になりました「ナンバ歩き」(先日、こちらでも取り上げましたね。)の誤解は、この現代人の肩甲骨と肋骨の癒着・硬直化に由来していまして、下手に真似をしますと、とんでもない変な動きになるわけです。
そういえば、昔(460年くらい前)宣教師ザビエルが日本にやって来た時に、日本人の歩きを見て驚いたようですね。
「腕を動かさない!?」
けれど、この腕を動かさない歩きが、現代人が想像するような変な歩きではなかったと思いますよ。
まぁ、そんなわけでありまして、ウォーキングの際に本当は腕を振らないほうがいいといいますのは、
腕をほぼ振らずに走ることが出来る人に限って、ということになるかと思います。
ですから、一般的にはある程度、振ってあげたほうがいいにはいいと思います。
けれど、極力、
強く振らないように! (肩周りを痛めかねません。)
こぶしも握らないように! (呼吸もしづらく、腕全体が力んでしまいます。)
そして、本当は腕ではなく肩甲骨が振れればいいんだということを、頭の片隅に置いておいてみて下さい。
リラックスして歩くというのも、難しいものです。
気分でリラックスしていても、体はギュッとなっていることは、よくありますからね。
がんばらないことは大切です。