オーガニック・アートマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

柔軟性と柔らかい動きと・・・混同しませんように。

柔軟性をあげることと、柔らかい動きができるようになることは、きっちりと分けて考えたほうがいいですね。


柔らかい動きができるようにと、ストレッチなどで柔軟性をあげることは大切です。
けれど、柔軟性があがったら柔らかい動きができるのか?といいますと、そうではないんですよ。


柔軟性といいますのは、関節の可動域の問題でありまして、それは例えば肩の関節だけを取り出して、どこからどこまで動くのか?という、単関節運動の運動開始位置と運動終了位置の距離や角度の大きさのことでしかありませんでしょ。


う~ん、、、わかりづらいでしょうか。。。
腕を後ろにどれだけ反らせられるか?それを開始位置としまして、前から上にどれだけ上げられるか?
耳よりも前か後ろか?といった位置が、終了位置。
これが大きく動けると、いわゆる柔軟性があるということ。


ここで大事なのは途中経過ではありませんよね。
最初と最後の位置ですよね。
背中を反らすといったことや、開脚具合、前屈の程度といったことも、同じですね。


さて、柔らかい動きといったときにはどうでしょう?
大事なのは途中経過ですよね。


動く範囲が小さいから固いとうことはありませんでしょ。
腕を少しだけ上げるという動きでも人によって柔らかさは違いますよね。
大きく動くかどうかではなく、たとえ小さな範囲でありましても、その動きには固い柔らかいがあるわけです。


腕をほんの10センチ、20センチ上げるだけのことに、いわゆる柔軟性は関係ないと思いませんか?




では、何が柔らかい動きと固い動きの差を生むんでしょう???



それは、人間(生き物)は単関節の運動では動いていないということ。
必ず複数の関節が一緒に連動して動いているということ。


先ほどの腕を上げるというのも、肩の関節だけではなく、たとえば肘も必ず動いているはずです。


実際にやってみましょう。
いっさい肘も手首も固定して、肩の関節だけを意識して腕を上げてみて下さい。
どうです?すごい違和感じゃありません?
ロボットのようですよね。



つまるところ、柔らかく動くのに大切なことは、どのように複数の関節を動かしていくか、です。


関節の柔軟性が上がることとは、別ものですよね。
関節の柔軟性はあるのに、動きが固いという人がいますでしょ。もったいないですよね。


とは言いましても、柔らかい動きを獲得していくことは、簡単ではありません。
ふにゃふにゃ動くわけではなく、意味のある動きがいかに柔らかいか?が大事なわけですから柔らかい動きの理論的なことを押さえておいたほうが、はるかに有利。



ストレッチに向けているエネルギーを、少し動きに向けてみてはいかがですか?
力添えをさせてもらえればと思います。