きょうは、ちょっとやさしく(笑)
呼吸と重心バランスの関係について考えてみましょう。
呼吸が大事であることはどなたも重々承知していると思いますけれど、どのような意味で大事か?
リラックスなどはもちろんですけれど、
呼吸が乱れるとバランスを崩しやすくなるんですね。
単純な状態を考えると分ると思うのですが、
綱渡りのようなことをするとして、
呼吸が静かで落ち着いているときと、
肩で息をしているときとで、
どちらが上手くいくか?
スポーツでも音楽でも何でも、バランスのコントロールは何より重要ですが、
それを筋力に頼ってしまうのではなく、
呼吸に目を向けてみることをお勧めしたいと思います。
私の専門は身体表現ですが、身体表現では高いバランスコントロールの力が求められると同時に、
柔らかで繊細な動きも求められるんですね。
バランスの取りづらい姿勢になりますと、一般的にはどうしても息を詰めてしまいます。
そうして全身の筋肉が余計な収縮を始めてしまうんですけれど、
その状態になりますと、バランスを取るのに必要な筋力の働きが、相対的に薄まってしまうんですね。
そのことで、ますますバランスを取ることが難しくなり、
さらに息が詰まり、余計な筋肉の収縮が強まるという悪循環が起こってしまうんです。
これは、表現の場ですと、
苦しんでる姿を見せるだけになってしまい表現になりませんから、
バランスのきつい姿勢でもリラックス出来るようにしていかなければとなるのですが、
スポーツなどの場ですと、
頑張りが足りない、もっと鍛えなければという方向に行きやすいようです。
皆さんは大丈夫ですか?
バランスを取るにはリラックスが大事なのですが、
ただ力を抜くというのではなく、
「呼吸を通す」
ということを意識出来ますと、
それが体の軸となってバランスが取りやすくなります。
呼吸を通すという言い方は分りづらいかもしれませんが、
呼吸のための体の器官としまして、気道という軸に見立てることの出来る物がありますし、
横隔膜と骨盤底筋群という腹部の上下の膜の上下動の動きも、軸に見立てることが出来ますでしょ?
そのラインを呼吸が通っているとイメージしてあげると、分りやすいかと思います。
このように呼吸を通しますと、
体の中心のその見えないラインに近いところの筋肉がきちんと働いてくれるようになります。
いわゆるインナーマッスルが活性化されるんですね。
インナーマッスル自体を意識的に使うことは難しいですけれど、
これですと自然にスイッチが入ってくれます。
さらに、重要なことがありまして、呼吸がこのような形で通りますと、
頭(脳)も非常に落ち着いた感じになって来る
のが分ると思います。
瞑想などと同じですね。
体のバランスといいますのは、
実は体の問題だけではなく、
脳の状態と密接な繋がりがありますから、
例えば、何か悩み事があったり余計なことを考えていると、
バランスは崩れやすいんですね。
そこを、呼吸を通すことを意識しますと、
自然と脳が余計なことを考えなくなり、
バランスもとりやすくなるとうわけなんです。
こういったことを、もし筋力アップで補おうとしますと、
余計な筋力を付けて体が重たくなるだけでなく、
本来バランスを取るためでなく他に使える筋力を、バランスを取るために使ってしまうことになり、
パフォーマンスが上がりづらくなってしまうんですね。
いかがでしたでしょうか?
今日から、呼吸との付き合い方が変わりそうですか?
良いパフォーマンスを発揮して下さい。
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!