前回書きましたように、この世界は「個」の積み上げで、成り立っているわけではなく、全体をつくるために「個」があるのですから、繰り返しになりますけど、「個」というものは別の「個」から完全に独立しては、存在し得ないんだと思うんです。
「個」は他のあらゆる「個」と繋がっていて、全てがネットワークで働いている。そりゃぁ、そうですよね。全体から切り離された「個」は無いんですから。
ですから、どこかの回路が切れたり、ある「個」の状態が悪いと、その結びつきの特に強い、他の「個」が連鎖的に悪くなったり、逆に補おうとして、無理がかかったりして、結局全体に悪さを及ぼすはず。
で、全体が悪ければ、各「個」にその悪さ加減が影響を与えて、またその「個」の悪さが、全体を悪くして・・・と、今の世の中なわけですね。
まあ、世の中の悪さはさておき、「人を殺したり、自殺したりが何故いけないのか?」というのが、随分前に話題になりましたけど、こういうことだと思うんです。
他人でも自分でも、殺すのがいけないのは、決して当たり前のことではなく、ネットワークの繋がりの強い所に、大きな損傷を与え、全体にも小さいながら、ダメージを与えるから。
そう、つまりは、「ひとりの命ではない」という、よくある結論なんですけどね。
人を殺したり、傷つけたりという行為は、結局、その加害者にはね返ってくるわけですし、その加害者が大切にしたい人にも、返ってくるんですよ。
気が付くか、どうかは別ですけど。
自分の命だからとか、あんたらには関係ないからとか、そんなことはないんですから、勝手に殺したり、傷つけあったりされては、困るんです。
そして逆に言えば、自分という「個」を良くしたり、ネットワークの繋がりをスムーズにして、自分以外の「個」を良くすると、全体が良くなり、またさらに「個」がよくなり・・・おぉっ!なんて素晴らしいんでしょう!
こうなると、人のことをやっかんだり、ひがんだりという行為も、実に愚かなことだと、よ~く分かります。
自分も他人もないんですね。みんな、我がことのように、喜んでいればいいんですね。
と、こんな風に生きていけたら、どんなに幸せなんでしょう・・・あぁ。。。