体は柔らかい方がいいですよね。
このことに対しまして疑問を持つ人はいないと思うんです。
では、その柔らかさといいますのは、
◎いわゆる柔軟性ですか?
◎それとも動きの柔らかさですか?
今回は動きが柔らかいとは?ということでお話を進めていきたいと思いますね。
柔軟性をアップするために、関節の可動域を広げることは大切ですけれど、
残念ながら、それで柔らかい動きが出来るようになるわけではないんです。
関節の可動域を自分でストレッチで広げるのか、整体みたいのもので他人にやってもらうのか、それはどちらでもいいんですけれど、
それはやはり、単に関節の可動域が広がったということでしかなく、あくまで単純動作でのこと。
つまり、腕の上がりが良くなった、脚が広がるようになったということに過ぎないわけです。
動きの柔らかさとは別ものだと考えたほうがいいんです。
では、動きの柔らかさは、関節がよく動くということでないのだとしますと、
何が動きの柔らかさを作り出しているのだと思われますか?
◎ 骨の動きの連係
だと、私は思うんです。
繋がれた3本の棒があるとしましょう。
そんなに難しい操作をせずとも、波のように動かしたり、螺旋状に動かしたり、
スムーズな柔らかな動きを作り出せますでしょ?
固い棒であっても、うまく連係させますと棒のようには見えなくなってきますよね。
ところで、このとき、
この3本の棒の繋ぎ目がどれくらい大きく動かせるか?にどれほどの重要性があると思われます?
たとえどんなに大きく動かせたとしましても、連係がうまくいきませんと、ギッコンバッタン。
逆に、あまり動かない場合でありましても、連係がスムーズであれば、柔らかな動きになりますでしょ?
さてここで、「別に腕を波のように動かしたいわけではないんですけど・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうですよね、波の動きを見せることがイコール柔らかな動きというわけではありませんものね。
ところで、人間の体は200を超える骨で出来ているんですけど、
それらの骨がスムーズな連係によって全てが同時に動いた(動きあっている)ところを想像してみますと、どうでしょう?
なんだか軟体生物のようになりそうではありません?
物凄く複雑なモビール(「やじろべい」が立体的にたくさん繋がったようなおもちゃ)を想像してみてもいいかもしれませんね。
動きの大きさではなく、ちょっとした小さな動きでも、柔らかな感じは消えたりしませんでしょ?
仮に、そのモビールのどこか1箇所あるいは2箇所くらいがよく動いたとしまして、それは全体の柔らかな動きに貢献できるのでしょうか?
そんなことはありませんよね。
単にその箇所だけがよく動くということに過ぎませんね。
かえって、全体のバランスを崩してしまうかもしれません。
こう見てまいりますと、体を柔らかくする目的が、いわゆる見た目の柔軟性よりも、動きの柔らかさを目指すのでありましたら、
ストレッチなどで関節の可動域を広げることよりも、まずは動き方について考えていくことが重要ということになりますよね。
・・・そう、いかに
◎骨と骨の連係をスムーズにするか?
そして、複雑なモビールのように、
◎いかに多くの骨を同時に動かすか?
ただし、気を付けて下さいね。
なにもクネクネ、ダランダランしようということではありませんよ。
あくまで一見直線的な動きであっても、ということですよ。
そしてそうそう、最後に・・・
ストレッチなどで関節の可動域を広げるのでしたら、人体には200を超える関節があるわけですから・・・ねっ。