動きに支点を作りますと、体に無理がかかって、痛めてしまいやすいと思うんです。
と、いきなり、「動きの支点」と言われましても、何のことやら?ですよね。
一番分かりやすい例が、腰なんですけれど、重いものを持ち上げる時、つい、腰を曲げて、腰を支点にして持ち上げようとしてしまいませんか?
おじぎをするような感じですね。
こうしますと、負担がすべて腰にかかりますから、腰の筋肉は相当がんばらないといけません。
で、よく言われますのが、重いものを持ち上げる時は、腰を落として立ち上がるようにしましょうって。
ですけど、最も効果的なのは、負担を分散させること。
体の、例えば腰という一カ所に集中させるのではなく、あちこちに、少~しずつ負担してもらうんです。
これは、こうして言葉だけで聞きますと、ちょっとイメージが湧きづらいと思いますし、体感しませんことには、理屈で分かったところで、意味をなしませんけど、大きなポイントは背骨の柔軟性にあるんです。
ただ、柔軟性といいましても、よく曲がるということではなく、動きが柔軟かどうか、ということ。
いくら背中がすごく反れたとしましても、動く時に棒のようになってしまいましては、同じことですものね。
(柔軟性についての、このあたりの誤解は、まだまだ多いですね。)
腰を支点として、その一カ所に負担をかけるのではなく、背骨全体に負担してもらうようにしますと、これは、かなり楽。
えっ!?
と、自分で驚いてしまうくらい、力を出した感じがしないまま、同じ重い物を持ち上げることが出来てしまうんですよ。
言い方を変えますと、筋トレをしなくとも、パワーアップする、という感じなんです。
筋トレをしなくても、パワーアップし、しかも体を傷めなくなる。
素晴らしいと思いません?
日常生活だけでなく、あらゆるスポーツにも活かせる、大切な身体操法ではないかしら?
体のどこか一カ所が集中的に頑張るよりも、あちこちが、少~しずつ頑張ってくれる方が、どう考えましても、合理的ですよね?
(社会や組織と同じですね)
動きに支点を作らないというのは、いろいろな意味で、強さを発揮する、重要なキーワードのような気がします。
また、機会がありましたら、お話したいと思っています。