オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

芸術、アート

そのエクササイズを、有効にし得る身体ですか?

私はあまり、具体的なエクササイズを ここでは紹介してきていません。 といいますのは、 先日SNSでも発信したのですが、 全く同じエクササイズ・型をしても、 体のどこをどう使っているかは、 センスの良い人と、そうでない人とでは、 全く違うんですね。 で…

言ってはいけない「分かろうとするより、感じて欲しい」

しばしば、舞台表現の人が言います。 「分かろうとするより、感じて欲しい」 まぁ、そりゃぁそうですけど、 これ、 私は良くないと思うんです。 表現する側が言うのは いかがなものかと。 先日、お能に関する本を読んでいましたら、 ある能楽師の方が、 やは…

世界的演出家の構想を変えさせた演技とは?

少し前に、イギリス人の世界的演出家の作品での 演技指導のオファーがあったんです。 いえ、正確には オーディション。 演技指導を任せられるかどうかの オーディションです。 ちなみに、この方 ブロードウェイでは、長きにわたって何度もまた様々な部門で …

声楽と演技

声楽家の方で 表現・演技力で悩まれている方は 多いのかもしれません。 声楽・オペラをされている方は、当然のことながら、 歌唱の訓練を積みます。 ところが、舞台に立ちますと、 立ち居振る舞いではすまない 演技が求められるんですね。 ところが、一般的…

「きれい」も「汚い」も美しく

歪んでいても、 エネルギーが通っていれば 美しい。 きれいでも、 エネルギーが通っていなければ、 汚い。 私は表現において、 このことは、 とても重要なことだと考えています。 私は美しさを重視しています。 美しさの力には、 だれも抗えないと思うんです…

アイデアが出てこない、そのワケは?

「アイデアが、出てこない。。。」 先日、クラス内発表会の後、 クラス生のひとりが、こんな発言を。 長年、真摯に取り組んでいる人ですが、 他のスタイルでのパフォーマンスでは、 ぽんぽんとアイデアが出てくるけれど、 アートマイム/オーガニックマイム…

空間を変化させる表現

踊りや芝居を観ていて 周りの空気も一緒に動いている感じを 味わったことはあるでしょうか? それも、 色が変わる 空間がうねる といった感じを。 先日、クラス生のひとりが自主公演をしました。 彼は、長年一人芝居の脚本・演出・役者、 全てをこなしてやっ…

驚き!米津玄師のバックでダンサー小春が “苦しむ” を表現。

人はだれもが、 物語なくしては、生きていけない。 私はそう思っています。 ところで、舞台表現ですが、 演劇は小説 ダンスは音楽 大枠では、そんなところだと思います。 では、アートマイムは何かといいますと、 アートマイムは詩 といえるでしょう。 小説…

感情と身体の一致 〜中村勘三郎の表現指導〜

感情と身体の一致・・・ アートマイム/オーガニックマイムでは 非常に重視している点です。 芝居はもちろん、踊りでも、 重要だと思います。 なぜ、重視するかといえば、 容易ではないからですね。 もし、誰もが何も気にせずとも 当たり前にできることであ…

好きなように楽しみ、解体、そして統合へ。

今回は、 「好きなように楽しみ、解体、そして統合へ」 と題して、お話していこうと思います。 先日の新年早々のワークショップ 『声(音)を身体に響かせる』 の際、 こんな質問がありました。 「感情と発声は一緒にしてもいいのですか?」 この方は、 ある…

表現って、自分の心情を出すものって思っていませんか?

表現というと、 「自分の中にあるものを出す」 という感じがします。 そのために、 尻込みする人が多いと思うんです。 お芝居的な表現なら、なおさら。 どうですか? 私は、尻込みします(笑) 本当に尻込みする人間だったんですよ。 それが、なぜか こうい…

ポーランドの人たちも、言葉に詰まる?!

新年明けましておめでとうございます。 今年は6月に大きな企画を予定しています。 どうぞお楽しみに! さて、 12月にポーランド・ワルシャワで 作品上演してきました。 招待5回目のワルシャワ。 本格的にソロ作品を上演したのは、 3回目。 『獣』(2014)…

阿修羅像と身体イメージ

12/15,16 ワルシャワ公演にて 「阿修羅像になったみたい!」 同じ内容のレッスンを、 別々のクラスで行なったところ、 それぞれのクラスで 冒頭の発言が 自然発生したんです。 同じ体感覚を持った人がいたということです。 この出来事は、 とても重要なこと…

あなたはどんな世界に存在しているのですか?

自分がどんな世界に存在しているのか? それは、 自分がどんな視点をもっているのか? 自分が世界をどう捉えているのか? によって、見えてきます。 自分が何者であるのか? あなたは、知っていますか? 先日、クラス内発表会がありました。 半年に一度のペ…

声を出さない身体演技と歌の共通点。

声を出さない身体演技と 歌の共通点、 これを知っておくと、 表現力が変わります。 歌は実際に声を出すために、 本人も第三者も、その声が分かりやすい指標となります。 声を出さない身体演技では、 声のような 客観的な指標がないため、 良し悪しの判断がぶ…

正しく “からっぽ” になる

“からっぽ” な感じ “ぎゅっとした” 感じ どちらのほうが、力が出ると思いますか? どちらのほうが、惹き付ける表現になると思いますか? 先日のクラスの最中、 トレーナーを生業としている生徒さん (通い始めて数ヶ月)が、 驚いたんです。 “からっぽ” な感…

「今、ここにいる」って?

『月刊秘伝』9月号(8/16発売) 「動きの解体新書」 第2回「立つとは浮きつつ垂れること」 ※これに伴うワークショップ「きちんと立てれば、上手くいく」を 10月13日に開催いたします。下記参照下さい。 アートマイム/オーガニックマイムでは、 “エクスペリ…

「大きく動く」とは?

『月刊秘伝』9月号(8/16発売) 「動きの解体新書」 第2回「立つとは浮きつつ垂れること」 先日発表の新作『崩滅』です。 その他の写真はこちらから。 「大きく動け」 とは、よく言われますね。 これは 言う側も、言われる側も、 大抵は、 実際の動きの幅、 …

言葉は、お互いの幸せな勘違いから。

公演 8月3日(金) 21時〜22時 『マイミクロスコープ 〜夜のアートマイム劇場〜』 新作『崩滅』 http://www.theaterx.jp/18/180803-180803p.php https://www.facebook.com/events/229090794552690/ 『月刊秘伝』8月号(7/14発売)より 「動きの解体新…

表現力と作品の力

表現力を磨くこと、 技術力を高めること、 それは舞台表現者にとっては、 当たり前に大事なことですね。 で、それはそれとして、 作品の魅力と表現力を、 一緒くたに考えてしまわないことも 大事。 先日、 『シアターカイ国際舞台芸術祭』で アートマイム塾…

演技 〜密度の高さ〜

『演技 〜動かされるように、動くこと〜』 『演技 〜意思と身体〜』 からのつづき 意思の変化を 質量を変化させることにつなげる。 身体の中の質量 だったり、 空間の質量 だったり。 私たちは普段の生活の中で、 身体も空間も 質量が変化しています。 その…

演技 〜意思と身体〜

前回 『演技 〜動かされるように、動くこと〜』 からのつづき 意思の働きを、身体を動かす物理的なエネルギーに 変換する必要があるんです。 その橋渡しの役割をするのが、 分かりやすく言いますと 呼吸なのですが、 息をすることとは、全く異なるので 注意…

演技 〜動かされるように、動くこと〜

演技で大事なことは、 動かされるように、動くこと。 いい演技とは、 身体の動きが見えないこと。 内面の動きが見えること。 身体の動きを小さくすることとは、 全く違いますので、注意が必要。 小さく動いても、 大きく見えないといけませんし、 大きく動い…

「言葉がなくても伝わる」は、褒め言葉ではない。

マイムは言葉がなくても伝わる… というものではないのです。 本来、言葉にできないものを伝えているのです。 以前お話したことがありますが、 小説、演劇、詩… 言葉を使って表現するものでも、 本当は同じこと。 言葉にできないものを伝えるために、 言葉を…

エンターテイメントは「生活」 アートは「生きる」

エンターテイメントは 「生活」に入っていく。 アートは 「生きる」に入っていく。 3、4年前、公演後のアフタートークの際に、 「エンターテイメントと 表現の違いって、何ですか?」 という質問がありました。 質問された方は、 私は面識はありませんでし…

メドベージェワ選手、キムヨナ選手…身体表現

前回の記事から、だいぶ間があいてしまいました。 実は、今ずっと原稿を書いていまして、そちらにかかりっきりだったのです。 月刊誌での一年間の連載が決まりました。 ここでの記事と違い、写真や図も掲載されますので、 イメージの助けになると思います。 …

なんのために、舞台上で動くのか?

演技でも表現でも、 身体を動かすのは、 周りの空気・空間を動かす・変化させるため。 といって、周りという外側にだけ 気を向けてしまうと、実は動かない。変化しない。 内に気を向け、内をしっかりさせる必要がある。 遠心力と求心力の関係。 外側だけに気…

思考がエネルギーの流れを、せき止めてしまう。

思考がエネルギーの流れを、 せき止めてしまう。 といって、 思考をストップさせることに意識を向けると、 やはりストップせず、 ストップさせようとして、思考に意識が向いてしまうので、 どうどう巡りになってしまいます。 どうして、こんなお話をしようと…

自分の身体は、どんな音を発しているのか?

音は、 目で見ることはできませんし、 触れることもできません。 けれど、 音に、 手触り感を覚えることはできる。 だからこそ、 私は、音を出さない身体表現に、 音を見たい。 音を見せたい。 私は、どんなに凄い動きをしている表現であっても、 その人に内…

舞台上で、真実の存在であること

お芝居をしている(脚本も書く)女性、ここのところ、 セリフのないシーンでの存在感に大きな変化が出てきたと。 お芝居への私の印象では、セリフのやり取りをしている人だけに 目が行ってしまい、他の(セリフを発しない)人たちの存在は、 そのとき、消え…